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「落ち着いたら3年生全員と面談したい」と語る社高の若浦直樹校長=兵庫県加東市の同校
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「落ち着いたら3年生全員と面談したい」と語る社高の若浦直樹校長=兵庫県加東市の同校

 新型コロナウイルスの影響で、休止していた学校活動が6月から約3カ月ぶりに本格的に再開予定だ。1日90分以内、週3日が上限という制限付きながら、県立高校などで部活動も再開する。1965年、体育の指導者養成などを目的に全国で3番目に開設され、兵庫県内の県立校では唯一の体育科がある社高の若浦直樹校長(57)に、体育の授業や部活動に対する現場の思いを聞いた。(聞き手・尾藤央一)

 -体育への影響について懸念は。

 「ボールで人と人がつながる競技もたくさんある。例えばテニスはOKだが、バレーボールは駄目ってなるのか。部活動はできても、体育の授業でできない競技も出てくるかもしれない。道具なしで、ばらばらで動けるとしたら陸上。暑い時期に走るばっかりにもいかないので、考えないといけない」

 -体育科は1~3年生約90人が寮生活を送る。教育における集団生活や部活動の役割とは。

 「部活動や寮生活は、学年を超えて触れ合える場だからすごく大事。寮再開は5月31日からだが、部活動では1年生が入部できていない状況。また、3年生は代替大会の開催が不透明な中、今後の意思確認も必要だろう。3年生と関わる時期が短いのが残念。縦のつながりをつくっていく上でも、今は1~3年生で長くやってもらうことが願い」

 -全国高校総体などの大会がなくなり、大学進学にも影響してくる。

 「多くが高校3年の全国大会出場が実績となる。冬のスポーツでは間に合わない競技もある。スポーツ推薦は生徒も気にしている。関西の私立大学は例年8、9月までにある程度固めて、実際の試験は11月。大学も見る機会がない中、どこを評価してくれるのかが気がかり」

 -県高体連バドミントン部長として、県高校総体の競技中止を4月27日に発表した。

 「4月の地区予選ができなくなり中止の方向性は出ていたが、全国大会の発表を待とうと。基本的にバドミントンは換気できないから一番密になる。専門部の委員長も5月の県大会での一発勝負で考えていたけれど、緊急事態宣言の発令以降、雲行きが怪しくなった。大会自粛が続くが、日常に戻すには、どこかできっかけが必要」

 -長年、陸上を指導する中で、けがや病気で競技ができない選手にはどう接したか。

 「長田高で指導した中野瞳。走り幅跳びで東京五輪を目指している彼女は腰痛で練習ができなくて、高校3年では入院もした。2年生で出した(2007年6月の)日本高校記録がプレッシャーに。そのときに『ええ機会やからリセットしよか』って。大学の推薦入試に向け、自己推薦文をいっぱい書かせた。経歴を書く中で今までのことを整理しよう。陸上は自分にとってどういう存在か。また次の一歩を踏み出す気持ちがすーっと入ってきたと思う」

 -部活動再開後、指導者には何ができるか。

 「まだ声の掛けようがない。ちょっと落ち着いてから言えたら。変に同情することはできない。指導者は何か困ったときに助ける存在。競技を続ける子には逆に良い休養ができた」

 「高校でやめようと思ってた子が続けたら、違う人生が見えるはず。自分で結論を出せるように見守るしかない。高校3年だったら、続け方はいろいろあって。陸上なら9月、10月に大会が残っている。週3日くらいに練習量は減っても、ベストを出すことも多かった。競技の楽しみ方、休み方も覚えたら違うことも見えてくる」

     ◇

【わかうら・なおき】神戸市中央区出身。神戸高-筑波大出。御影高や長田高で計21年間、陸上を指導した。長田高では2001年に全国高校総体男子1600メートルリレーで優勝に導き、07年に女子走り幅跳びで中野瞳がマークした6メートル44は今も日本高校記録として残る。12年ロンドン五輪男子マラソン代表の山本亮(現中大陸上部コーチ)も教え子。村岡高校長を経て19年から現職。57歳。

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