東京五輪目指す競泳界のホープ 溝畑、意識改革の1年に

2020/05/09 08:00

コロナ禍の中、競技以外にも関心を広げ、自らの肥やしにする溝畑樹蘭=2019年9月、茨城県ひたちなか市

 日本競泳界のホープ、溝畑樹蘭(コナミスポーツ、報徳高出身)は、練習も満足にできない苦境を前向きに捉える。神戸新聞の書面インタビューに応じ、「自分のために使える時間は増えている」とコメント。1年延期された東京五輪に向けて競技以外への挑戦も増やし、人間としての幅を広げようとしている。(藤村有希子)

 兵庫県丹波篠山市出身の22歳。182センチの長身を生かしたダイナミックな泳ぎが魅力で、明大進学後に一層飛躍した。2018年にジャカルタ・アジア大会の男子400メートルリレーで日本の金メダル獲得に貢献。昨夏にはユニバーシアードの200メートル個人メドレーで優勝した。
 56年ぶりとなる日本開催の夏季五輪を前に、世界は未知のウイルスに襲われた。五輪切符を懸け、100メートル自由形と200メートル個人メドレーに出場予定だった4月の日本選手権は中止。溝畑は今の生活について「感染拡大防止のため、できるだけ自宅で過ごすことを心掛けている。十分な練習はできていない」と打ち明ける。
 その中でも体力低下を食い止めるため、ストレッチや、チューブを使った自重(自分の体重を負荷とした)トレーニングなどに長時間励み「身体を休めないようにしている」と工夫を重ねる。
 今、挑戦しているのは読書という。「時間があるので、まずは興味がある本から読み、知識を増やしたい」と競泳以外に対しても意欲的だ。
 目指す東京五輪が1年延期されたが、まず願うのは世の中が元通りの日常に戻ることだ。「新型コロナウイルスの一刻も早い収束を願っている。今は健康な状態でいることが大事なので、不要な外出をせず、感染のリスクを減らす行動を」と社会の一員として強い思いを示した。
 おおらかな性格で親しまれるトップスイマーは、故郷兵庫の後輩選手らにメッセージを送った。
 「モチベーションを保つことは大変だが、自分のために使える時間は増えていると思う。水泳だけでなく、それ以外のことにも目を向けて、いつもと違った視点で物事を考え、情報を得て吸収することが大事。家の中での生活が多くなった今だからこそ、できることに挑戦していきましょう」

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