
新型コロナウイルス感染症の影響で、今秋の開催が断念された鹿児島国体。夏の全国高校総体、全国中学校体育大会に続き、秋のスポーツの祭典も見送りが決まり、兵庫の大会関係者からは落胆の声が聞かれた。
前回の茨城国体で、兵庫は天皇杯(男女総合得点)13位。目標の8位入賞には届かなかったが、女子が皇后杯(女子総合得点)で4年ぶりの8位入賞を飾った。鹿児島国体に向けて今年1、2月の冬季国体で過去最高の129点を獲得し、県体育協会事務局は「いいスタートを切れたところだった」と残念がった。
アーチェリーの兵庫は昨年、少年男女とも入賞を果たした。県アーチェリー連盟の五百蔵正雄理事長は「今年の成年男女は(全国でも)3本の指に入る力を持っていた。去年からイメージができていたので残念」と声を落としつつ、「全国高校選抜大会の中止や五輪延期が決まった春に比べると、秋の国体がなくなるのは選手もうすうす感じていたのではないか。宿泊も伴うので仕方ない判断」と受け入れた。
兵庫は、国体での上位進出に向けて新たな強化策を導入したばかり。県外在住の「ふるさと選手」が強化合宿に参加する際、旅費などを補助する仕組みを取り入れたが、今年は活用する場を失った。県体協事務局は「国体は毎年続いていく。次の大会に向け、各競技団体は強化を進めてもらいたい」と呼び掛けた。(有島弘記、尾藤央一)
