中学女子バスケ界に創部2年目の百合中が旋風 中高一貫、6年かけ強化構想

2020/12/02 05:30

創部2年目で兵庫県大会2位と躍進した百合中。百合高を含めた6年間での進化が楽しみだ=尼崎市の同校

 兵庫県内の中学女子バスケットボール界で、創部2年目の百合が台頭している。昨年は全員1年生の布陣で、県総体と県新人大会でともに8強入り。今秋には全国U15選手権県予選で準優勝した。バスケット部の強化に乗り出す私立中学は県内で珍しく、一貫教育の高校を含めた6年間で連係プレーを磨く構想だ。今後、県内高校の勢力図にも影響を及ぼすかもしれない。(藤村有希子) 関連ニュース なぎなた全国Vの女子大生たち 剣道との“異種格闘技戦”で警察官をたじろかせる 美脚や腹筋SNSで発信「筋トレ女子」続々登場 自分磨き、ママ世代にも人気 福男受け止める神職は“体育会系” 西宮神社の開門神事


 尼崎市内の同校体育館。「全国制覇」「覚悟」と記された張り紙の前を、中学生が疾走している。2人一組での速攻練習だ。「スピード!」「そこ、しっかり!」と選手同士で声を掛け合う。
 徹底したランニングで速さとスタミナを養う。「2時間走りっぱなしのときもある」と改発あゆみ・中学コーチ。選手のTシャツの背面に刻まれた「SUPER SONICS」は、英語で「超音速」を意味する。
 2017年、清内敏明コーチ率いる百合高バスケット部が創部5年目で近畿大会に進出したのを機に、中学でも発足の準備が進み、昨春に誕生。中高ともに学校の強化クラブに指定されている。
 中学は1、2年が各10人。全員、小学校時代にプレー経験があり、ほとんどが地元の阪神地区出身だ。横山夢瑠(みる)主将は「新しいチームを一から自分たちでつくりたかった」と入部の理由を語り、大林蒼空(そら)は「練習でも日に日に声が出て、雰囲気がよくなってきた」とうなずく。
 1対1の守りやリバウンドなど基礎を固める。綿密な連係が求められる競技で、33歳の改発コーチは「協力は強力」と互いに支え合う重要性も説く。かつて神戸龍谷高の主将として全国舞台に立ち、県選抜の主軸も担った経験から出る言葉だ。
 波に乗るチームは11月初旬、強豪ぞろいの阪神新人大会で優勝した。12月12日に開幕する県新人大会では、初の「兵庫制覇」を狙っている。
 だが選手の目線はもっと高い。「今のメンバー全員で高校まで自分たちのバスケットを貫き、ウインターカップ(全国高校選手権)でいい成績を残したい」と横山主将。この先、全国で不振が続く兵庫高校女子を刺激する存在となるか注目される。

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