
大相撲初場所は10日、東京都墨田区の両国国技館で初日を迎え、初の綱とりを目指す兵庫県芦屋市出身の大関貴景勝(24)=本名佐藤貴信、常盤山部屋=は過去2度の優勝を誇る小結御嶽海に押し出しで敗れ、痛恨の黒星発進となった。今場所は首都圏に緊急事態宣言が再発令され、新型コロナウイルスの感染などで横綱白鵬ら力士65人が休場。看板力士として異例の土俵を盛り上げる役目も期待されている。
貴景勝は先場所、13勝2敗で並んだ元大関照ノ富士との優勝決定戦を制し、2度目の賜杯を抱いた。横綱昇進は2場所連続優勝が最低条件とみられ、初土俵から所要38場所で昇進を決めれば、年6場所制となった1958年以降、白鵬と並ぶ4番目のスピード出世。兵庫県出身では明治生まれの第23代横綱大木戸(現神戸市東灘区出身)以来、108年ぶり2人目の偉業となる。
初日からつまずいた貴景勝は「理由(敗因)があって負けた。伸び伸びと自分の相撲を取り切りたい」と巻き返しを誓った。(有島弘記)
