高橋尚子や野口みずき輩出 全国都道府県対抗女子駅伝は五輪の登竜門
2021/01/18 05:30
2位でフィニッシュする兵庫のアンカーで北京五輪代表の小林祐梨子=2013年1月13日、京都市の西京極陸上競技場
女子マラソンが正式種目として採用されたロサンゼルス五輪の前年、1983(昭和58)年に日本女子中長距離選手の育成・強化を目指して始まった全国都道府県対抗女子駅伝。五輪マラソンの金メダリストになった高橋尚子や野口みずきらを輩出するなど、今も大会創設時の理念を受け継いでいる。このレースをステップに、兵庫からも多くの五輪選手が羽ばたいた。
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■未来のオリンピアンリレー
92年の第10回大会でアンカーを務めるなど大会初期に兵庫の主力を担った小鴨由水(ダイハツ、明石南高出)は同年のバルセロナ五輪マラソンに出場して29位。小鴨は前年の第9回大会では6区を担当し、たすきを渡した7区の山口衛里(西脇工高)は天満屋に進んで2000年シドニー五輪マラソン7位入賞を果たした。振り返れば、豪華な「未来のオリンピアンリレー」だった。
04年にアテネ五輪マラソンで7位入賞を果たした坂本直子(天満屋、県西宮高出)は岡山で02年4区区間賞などの成績を残した。04年に5区で兵庫の優勝に貢献した中村友梨香(県西宮高)は天満屋に進み、4年後の北京五輪マラソンで13位に入った。
■「兵庫の顔」は2区区間記録保持者
北京五輪5000メートル代表の小林祐梨子は小野市立旭丘中から須磨学園高を経て豊田自動織機まで長くチームに貢献。06年大会からは4年連続で2区区間賞とレース序盤のキーマンとして活躍を続けた。09年にマークした12分7秒は今も区間記録として残る。北京五輪3000メートル障害代表の早狩実紀は出身地の京都での優勝経験も豊富だが、兵庫でも02年から3年連続2区区間賞で03年と04年の連覇メンバーに名を連ねた。
■東京五輪代表・田中は前回まで7年連続出走
21年東京五輪5000メートル代表に決まった田中希実(豊田自動織機TC、西脇工高出)は小野市立小野南中2年時から2年連続で8区区間賞に輝くなど前回大会まで7年連続出走。18年には優勝メンバーとなった。東京五輪マラソン代表の前田穂南(天満屋、尼崎市立園田東中-大阪薫英女学院高出)は昨年まで2年連続で大阪のアンカーを務め、入賞に貢献している。