コラム【ハーフタイム】小さな手形に大きな未来
2021/03/29 13:00
柔道の阿部詩の手形、足形。神戸市営地下鉄海岸線三宮・花時計前駅駅に掲示されている=神戸市中央区磯上通8
イチローが大リーグに旅立ち、高橋尚子がシドニー五輪の女子マラソンを制した。そんな2000年に生まれた彼女たちが国内外のスポーツ界で活躍している。
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柔道の阿部詩とフィギュアスケートの坂本花織、ゴルフの古江彩佳。出色の3人には、神戸市出身であること以外にも共通項がある。神戸市営地下鉄海岸線の駅に、0歳児のときの手形と足形が飾られているのだ。
20年前、海岸線の開業を記念して神戸市内の「ミレニアムベビー」を対象に募ったところ、3人を含め、3440件の応募があったという。他にも有望選手がいるだろうし、スポーツ以外で名を成す人もいるかもしれない。通勤の道すがら、小さな手形足形や家族のメッセージを見て、とりとめもなく思う。
開業20周年を迎えた今年、神戸市交通局は再び手形を募っている。昨年生まれた市内の赤ちゃんが対象で、今度は手形でアート作品をつくるという。コロナ禍で覆われた2020年に、未来を託された子どもたち。その中にも、世界に羽ばたく原石がきっといる。(山本哲志)