イニエスタ「生涯神戸」宣言 ヴィッセルと2年契約延長
2021/05/11 14:30
2年間の契約延長で合意し、会見に臨む神戸のイニエスタ=11日午後、東京都内(ⓒVISSEL KOBE)
サッカーJリーグ1部(J1)のヴィッセル神戸は11日、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(37)と2年間の契約延長で合意したと発表した。鮮やかなパスで世界を魅了してきた名手が、引き続き神戸の象徴となる。
関連ニュース
三木谷会長「年俸でイニエスタにかなり歩み寄ってもらった」
イニエスタ、神戸に足りないのは「生ハムと家族」
イニエスタ残留、パネルで“ネタバレ”していた?
同日に37歳の誕生日を迎えたイニエスタと神戸の契約は今季が最終年だったが、クラブは屈指の知名度を誇るスターと延長に向けて話し合いを続けていた。イニエスタ自身も昨年10月に神戸新聞のインタビューを受けた際、「今の感覚が続くのであれば、延長できたら」と神戸への思いを明かしていた。
神戸は会見前日の10日に「イニエスタ選手に関する重要な記者会見を開く」と告知し、11日午後2時からクラブの公式ユーチューブチャンネルで会見の様子を生配信。イニエスタは神戸の三木谷浩史会長とともに会見に出席。「自分が信頼してもらえていると感じたことが契約延長の一番大きな要因」と思いを明かし、「ともに歴史を築いてこられた。プロジェクトに引き続き関わっていけることに喜びを感じている。挑戦はまだまだ続く」と話した。
三木谷会長は「彼のプレーを見たいだろうし、哲学、姿勢は日本に大きな影響を与えてくれる。コロナ禍で条件(年俸)面でも譲歩してくれた。ヴィッセル神戸で選手の集大成ということ。大きな決断をしてくれた」と語った。
選手として最後の地を神戸にするかという質問に対し、イニエスタは「いつか終わりはくる。自分はこのプロジェクトのために大きなモチベーションを感じているし、これからもやっていきたい。自分の選手としてのキャリアをここで最後まで続けていきたい。選手としてだけでなく、このクラブと関わり続けていくことが希望」と宣言した。
イニエスタは、同国1部リーグの名門バルセロナで中心選手として活躍。ワールドカップには4度出場し、2010年南アフリカ大会では母国を初優勝に導く決勝ゴールを挙げた。
18年夏、Jリーグ史上最高となる年俸約30億円(推定)で神戸に加入。19年からは主将を務め、昨年1月に天皇杯全日本選手権でクラブ初タイトルをもたらした。同12月には初挑戦のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で4強進出に貢献したが、右太ももに大けがを負い、手術した。長期のリハビリを経て、今月1日のJ1リーグ広島戦で142日ぶりに実戦復帰していた。(山本哲志)