「2人で金メダル」の悲願成就 阿部兄妹、重圧はねのけ同日金
2021/07/25 19:40
金メダルを手にする阿部一二三(左)と妹の詩=日本武道館(撮影・堀内翔)
日本のお家芸、柔道で世界最強の兄妹が誕生した。東京五輪第3日の25日、そろって金メダルを獲得した男子66キロ級の阿部一二三と女子52キロ級の阿部詩。新型コロナウイルスの感染拡大で1年延期となった舞台で、神戸市出身の2人が悲願を成就させた。
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日本オリンピック委員会によると、性別の異なる日本のきょうだいの五輪メダリストは夏冬を通じて過去にいない。
開幕前、「互いに100パーセントの力を出せば、金メダルは取れる」と宣言した一二三。詩も「目標は兄と2人で金メダル」と誓った。その言葉通り、コロナ禍で前例のない重苦しい雰囲気に耐え、優勝候補の重圧もはねのけた。
2016年リオデジャネイロ五輪の閉会式では、一二三が次回開催都市への引き継ぎ式で流れた映像に出演するなど「東京五輪の星」と期待を集め、この5年は柔道界の話題の中心だった。学年では三つ下の21歳、詩はその兄に追いつけ、追い越せと猛練習に励み、肩を並べる実績を残した。
一二三は神戸生田中、神港学園高、詩は夙川中・高で、ともに中学、高校の日本一に輝いた。世界選手権でも2度の頂点に。面白いように相手を投げ飛ばす攻撃的なスタイルも共通する。そして、ともに初出場の東京五輪で金メダル。絵に描いたような最高のストーリーが完結した。