記者コラム〈サイドライン〉重量挙げの進行担った越智さん、同級生の山本と同じ舞台に 特別な1日に
2021/08/04 18:15
東京五輪重量挙げ会場の東京国際フォーラム=東京都千代田区丸の内3
4日に終了した重量挙げで、会場の競技進行を担った東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の越智翼さん(30)にとって、7月31日は特別な日となった。試技を行うプラットホームに、気心知れた同級生の山本俊樹(29)が立ったからだ。
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明石北高出身の越智さんは、三木東高出身の山本と高校時代、よく合同練習をした。山本は世界で戦う選手になり、越智さんは運営側に。交流は続き、全日本選手権で越智さんが山本のセコンドについたこともある。「顔や動きを見て、重量があうんの呼吸で決まる」ほどの信頼関係だ。
2019年春に民間企業から組織委へ出向したが、五輪は1年延期となり「モチベーションの維持が難しかった」と打ち明ける。心の支えになったのが山本の存在。「彼も立つ舞台だと信じ、個人的に励みにしていた」と振り返る。
けがの影響で記録なしに終わった山本から「いい会場をつくってくれたのに、すまんな」と声を掛けられたという。越智さんは「それぞれの道を究めて、一緒にこの舞台に来られた。ありがとう」と誇らしげだった。(金山成美)