先輩・妙義龍、同郷の後輩・貴景勝から初白星 10勝目、横綱と星一つ差で追う
2021/09/24 21:24
すくい投げで貴景勝(右)を破った妙義龍(撮影・出月俊成)
これまで通算0勝13敗。34歳のベテラン妙義龍が同じ兵庫県出身で埼玉栄高の後輩、大関貴景勝から初白星を挙げた。土俵際の攻防ですくい投げを決め、「相手が出るのが早いか自分が早いか。一瞬の勝負だった。初めて勝ったということが大きい」と、いつもより声色に高揚感があった。
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「(過去の対戦は)自分がやりたいことを全くさせてくれなかった」。立ち合いで当たり負けしたり、前傾姿勢になったところをはたかれたりした。ここ1年の決まり手も、押し出し、はたき込みと大関の術中にはまっていた。
だが、この日の貴景勝は様子が違った。「距離を取ってきたので、それに自分も合わせた」。立ち合い後、手を出し合いながら、大関が出てきたところで左を差し、両足を俵の上に残しながら体をひねって土俵の外に投げ出した。
高砂市出身。2009年、日体大を経て入門し、関脇を最高位に技能賞5度を誇る。同い年の横綱稀勢の里(現荒磯親方)や大関豪栄道(現武隈親方)が引退する中、187センチ、155キロの均整の取れた体を保ち、幕内の土俵に立ち続ける。
昨年7月の名古屋場所以来となる10勝目。横綱照ノ富士を星一つ差で追い、14日目は大関正代に挑む。妙義龍は「我慢して相撲を取ることですね」と、落ち着いた口調で答えた。(有島弘記)