オリックス、日本一ならず 神戸で敗れる
2021/11/27 23:06
力投するオリックス・山本由伸=ほっともっとフィールド神戸(撮影・鈴木雅之)
プロ野球のSMBC日本シリーズ2021は27日、ほっともっとフィールド神戸(神戸市須磨区)で第6戦が行われ、オリックス・バファローズ(パ・リーグ優勝)は延長の末、1-2で東京ヤクルトスワローズ(セ・リーグ優勝)に敗れ、対戦成績2勝4敗で25年ぶり5度目(阪急時代を含む)の日本一を逃した。ヤクルトは20年ぶり6度目の栄冠に輝いた。
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オリックスの本拠地、京セラドーム大阪がコンサートで使えず、神戸開催となった第6戦。ブルーウェーブ時代の1996年、阪神・淡路大震災を受けた「がんばろうKOBE」を掲げて日本一に輝いた球場に、1万5239人が集まったが、オリックスは5時間を超える激闘に屈した。
1点を先制された直後の五回、1死から若月がリクエスト判定による内野安打で出塁すると、太田が犠打で送り、続く福田が左前適時打。二走の若月が本塁にかえった瞬間、オリックスファンが一斉に立ち上がり、頭上で両手をたたいた。
1-1の同点が続いた八回には1死一、二塁の勝ち越しのチャンスを築いたが、杉本、T-岡田の主軸が凡退した。
九回も好機をつくった。先頭のモヤが四球を選び、紅林が犠打を成功。代打大下が三振に終わり、代打ジョーンズの申告敬遠で2死一、二塁としたが、福田は強い当たりの中飛に終わった。
勝ち越しを許して迎えた延長十二回1死から山足が死球で出塁したが、福田、宗が打ち取られた。
敗れたとはいえ、先発のエース山本は九回1失点の好投。沢村賞投手の力を示した。
三回から5イニング連続で先頭打者の出塁を許しながら失点は五回のみ。味方の連続失策で無死一、二塁のピンチを背負った六回は併殺打と遊ゴロで切り抜けた。
八回は圧巻で、ヤクルトの山田、村上、サンタナの強力クリーアップから3者連続三振。九回も三者凡退に抑え、141球を投げきった。
その後は、42歳能見(豊岡市出身)らの継投でヤクルト打線を封じたが、延長十二回に勝ち越しを許した。
今シリーズで、オリックスは第1戦を4-3の逆転サヨナラ勝ち。第2戦から3連敗を喫して崖っぷちに立たされたが、第5戦を6-5で競り勝ち、神戸行きを決めていた。
会員制交流サイト(SNS)上では「#神戸に帰ろう」との投稿が相次ぎ、帰還が実現したファンがこの日、神戸市内でも高台にある球場に集結。気象庁によると、市街地の同市中央区で午後8時半ごろに今季最低の6・9度を記録した寒さの中、応援を続けた。
(有島弘記)