兵庫初の冬季五輪メダリスト誕生「夢を実現、本当にうれしい」 坂本、三浦に祝福の声
2022/02/07 21:30
フィギュアスケート団体で初の銅メダルを獲得し、日の丸を掲げる日本チーム。左からアイスダンスの小松原尊、小松原美里、ペアの木原龍一、三浦璃来、宇野昌磨、坂本花織、鍵山優真、樋口新葉=北京(撮影・堀内 翔)
北京冬季五輪フィギュアスケート団体で7日、日本が新たな歴史を刻んだ。大きなミスなしにバトンをつなぎ、選手同士の強固な絆でつかんだ価値ある銅メダル。兵庫県ゆかりの2選手が、この種目初のメダルをたぐり寄せた。女子シングルの坂本花織選手(21)=シスメックス、神戸学院大3年=は、緊張にのまれた平昌五輪での雪辱を果たし、ペアで初出場の三浦璃来選手(20)=木下グループ、宝塚市出身=は自己ベストを記録し、メダルを決定づけた。
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兵庫初の冬季五輪メダリスト誕生-。躍動した女子シングル坂本花織とペア三浦璃来に、2人の地元、兵庫からも惜しみない祝福の声が寄せられた。
フィギュアスケート女子で1960年スコーバレー、64年インスブルックの五輪2大会に出場した国際スケート連盟名誉委員の平松純子さん(79)=神戸市東灘区=は「信じられない。われわれの頃には想像もしなかった快挙」と喜びもひとしおだ。
国際審判として長く活躍した平松さん。「高いリフトや投げられるジャンプのあるペアは、恐怖心があるとできない。三浦さんの勇敢さはすごい。ペアの台頭がメダルにつながった」と賛辞を贈る。成長を見守ってきた坂本についても「全日本チャンピオンになって肝が据わり、特に後半のジャンプはさすがだった。最終種目の重圧によく勝ったと思う。みんなでつないだ銅メダルに感動した」と話した。
「花織ちゃんの努力が報われて本当によかった」。神戸学院大3年の女子学生(21)は、自宅でメダル獲得の瞬間を見守った。
同級生の坂本は、1年生の時から顔見知り。先月末、大学関係者の寄せ書きを手渡した際に、レバーや砂肝が好きな坂本と「帰ってきたら焼き鳥を食べにいこう」と約束したという。
坂本の練習拠点である神戸市立ポートアイランドスポーツセンターの運営責任者、久保良太さん(43)は「坂本さんらしい躍動感ある演技だった」と絶賛。幼い頃から練習風景を見ており「昔から笑顔が変わらない。個人戦も楽しく滑ってほしい」とほほえむ。
一方、中学3年時に三浦のクラス担任だった宝塚市立御殿山中の小川直宏教諭(30)は「競技を長く続けていると、喜びや苦しみがあると思うが、それを乗り越えてメダルをつかんだのは努力が結実した証し。当時から頑張り屋さんだったので、夢を実現させて本当にうれしい」と語った。(山本哲志、綱嶋葉名、西尾和高)