<北京パラ>スノーボード男子・田渕伸司 調整遅れ、明るさは失わず

2022/03/02 14:35

田渕伸司

 北京冬季パラリンピックは4日に開幕し、13日の閉会式まで6競技78種目が行われる。兵庫からは3人が出場し、県勢としては13度目の冬季大会で史上最多の人数となった。初出場を決めた挑戦を紹介する。(有島弘記) 関連ニュース 北京パラきょう閉幕 奮闘の兵庫勢3人がコメント 北京パラ・スノーボード男子の岡本13位、田渕18位、アルペンスキー女子の神山13位 北京パラ・男子スノーボードクロス 岡本8位入賞、田渕は上位進出ならず

■後悔がないように
 スノーボード男子(下肢障害LL2)で世界選手権3位の実績がある田渕伸司(40)=和田山特別支援学校教、たつの市出身=は万全の状態で大会を迎えられそうにない。昨春に椎間板ヘルニアを手術したが、別の腰痛が悪化し、復帰が昨年9月と遅れた。「そういう運命。でも、後悔がないように」と、持ち前の明るさは失っていない。
 昨年4月のW杯イタリア大会前、腰に激痛が走った。手術を受けたが、その反動で別に持っていた腰痛が再発したという。8月末までボードに乗る練習を禁じられた。
 その期間中、体重と比例するスピード強化を狙い、「死ぬほど食べた」。体重を10キロ増やしたが、その効果以上に尻と両脚の筋力が落ちた。
 結果も、1月の世界選手権(ノルウェー)でバンクドスラローム9位。2019年に3位に輝いた種目で低迷し、帰国後の隔離生活では、ホテルに自転車型トレーニング器具を持ち込み、下半身を鍛え直した。
 教員生活の余暇として始めたスノーボード。インストラクターになるまで熱中し、08年の練習中の事故で右足首に障害を負っても雪上に戻った。「障害があろうとなかろうと、滑れたらいい」。北京でも全力で楽しむ。

【田渕伸司(たぶち・しんじ)】(1)出場種目 スノーボード男子(下肢障害LL2)スノーボードクロス、バンクドスラローム(2)年齢 40歳(3)出身地 たつの市(4)現住所 豊岡市(5)所属 和田山特別支援学校教(6)主な実績 2019年世界選手権バンクドスラローム3位(7)パラリンピック出場回数 初出場

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