伝え続ける一本取る柔道 五輪金の阿部兄妹育成で表彰 兵庫少年こだま会監督の高田幸博さん
2022/05/11 14:00
高田幸博さん
全日本柔道連盟(全柔連)から優秀指導者として表彰された兵庫少年こだま会の高田幸博監督(58)。神戸市兵庫区出身で、昨夏の東京五輪で兄妹そろって金メダルに輝いた男子66キロ級の阿部一二三(パーク24)と、女子52キロ級の阿部詩(日体大)を幼少期に教えた功績がたたえられ「スポットライトをあまり浴びない少年柔道の指導者がこのような機会を得ることで、競技界全体がさらに活発になれば」と喜んだ。
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星陵高で柔道を始め、関大を経て兵庫県警入り。仕事の傍ら、27歳からこだま会の監督も務めた。大切にしたのはポイント稼ぎではなく、一本を取る柔道。教え子が試合で大柄な相手に真っ向勝負を挑んで敗れても、責めることなく、真摯(しんし)な姿勢を評価。その教えは、阿部兄妹の今の競技スタイルに通じる。
行きすぎた勝利至上主義を見直そうと、全柔連が個人戦の全国小学生学年別大会を廃止した中、今月5日には団体戦の全国少年大会が行われ、こだま会は3位に入賞した。今後も「勝利至上主義にならないように気を付けて、柔道を楽しみながら頑張る」との信条を貫き、競技の裾野を広げる。(藤村有希子)