小中高で日本一、ずばぬけた安定感 17歳最強女子ボウラーの夢はプロ3冠 神戸野田高・石田万音
2022/10/04 05:30
小中高の全国大会で日本一に輝いたボウリング女子の石田万音=神戸市中央区、ラウンドワン三宮駅前店
世代最強の座は譲れない。ボウリング女子の石田万音(まのん)=神戸野田高2年=が、8月の全日本高校選手権で優勝し、小中高すべてで日本一に立った。男女を通じて史上2人目の快挙という。現役高校生プロボウラーへの挑戦も視野に入れる17歳は「将来はプロで3冠王(賞金、アベレージ、ポイント)になりたい」と大きな夢を追いかける。
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高校女王の座を懸けた決勝は、先行する「良きライバル」(石田)の同学年、浜崎りりあ(神奈川・綾瀬西)を猛追し、2ピン差で最終ゲームの10フレーム勝負に持ち込んだ。
1投目はともにストライク。相手が2投目で1本を残す中、石田は「緊張で手汗が止まらなかったけど、自分のボールを信じた」と2、3投目もストライクを続け、土壇場でひっくり返した。予選から2日間で12ゲームを戦い抜いた先に、うれし涙が待っていた。
両親の影響で4歳の頃に競技を始め、物心ついた時からピンの音とともに育った。「ボウリングに対してはストイックだし、負けず嫌い」。全日本小学生競技大会は5年の部と6年の部で史上初の連続優勝。全日本中学選手権も2年生から2連覇した。
水泳で培った体幹や可動域も武器で、長く指導するプロボウラー平岡勇人さん(32)=須磨友が丘高出身=は「精度がずばぬけている。再現性はプロでも十分通用する」と二人三脚で磨き上げた投球フォームの安定感に太鼓判を押す。平均スコアの215~220はプロレベルだ。
8月下旬のアジアジュニア選手権でも、浜崎らと組んだ女子チーム戦など2種目で銀メダルを獲得。今月6日からは栃木国体の少年女子で優勝を狙う。「いつも協力してくれる学校の校長先生や友達に結果で恩返ししたいし、師匠の後に続きたい」。2006年の「のじぎく兵庫国体」少年男子団体で優勝した平岡プロに負けじと、地元兵庫への貢献を誓う。(山本哲志)