今季限りでの引退を決めたJ1神戸のFWダビド・ビジャ(37)が13日、神戸市内で会見し、キャリアを終える判断をした背景やチームへの感謝などを語った。主な発言と報道陣との一問一答は次の通り。
【J1神戸・ビジャの話】
「こんにちは(日本語)。今シーズン限りでプロとしてのキャリアに終止符を打とうと、引退を決意した。自分の中で思ってきたことがあって、サッカーに引退させられるんじゃなくて、自分の意思でサッカーを引退したい。今がそのタイミングだという決断に至った」
〈過去の所属クラブや代表チームにも感謝〉
「多くの人が史上最高のチームと呼ぶバルセロナでは、素晴らしい3年間を過ごすことができた。スペイン代表の赤いユニホームを着ることは子どもの頃からの大きな夢。98試合代表キャップを積んで、ワールドカップやユーロ(欧州選手権)でタイトルを取ることができ、キャリアとしてこれ以上ない機会を与えられた」
〈将来について〉
「引退後の恐れはない。サッカーチームの経営やサッカースクールを通じた教育。自分の中で準備してきたこともある。サッカー界の他の部分に関わることで自分がピッチでプレーすることはなくなっても、サッカーに貢献を続けていきたい」
〈ヴィッセル神戸への思い〉
「自分を信じて、自分に懸けてくれたこと。年齢を重ねていた自分のような選手を信じてくれたことに感謝している。きょうこのような場を設けたことで、願わくばこのシーズンの残り試合を良い形で挑めるようになれば。特に天皇杯は、クラブの歴史にとっても大事なタイトルが残っている」
〈最後に〉
「きょうは自分の引退を発表する記者会見だが、引退はきょうではない。強い願いは、(来年)1月1日の天皇杯の優勝を成し遂げた後に、引退したい。会見の後は、今までやってきたように家に帰って早く寝て、明日早く起きてクラブハウスに行って準備をして、万全なコンディションで日々練習を重ねていく。自分がキャリアの中で、そして全てのクラブでやってきたように(準備を)続けていく」
【報道陣との一問一答】
-引退を決断したタイミングと理由は。
「33、34、35歳と年を重ねていくにつれて、試合であれ練習であれ、けがをすることによって引退を余儀なくされる可能性はいつ訪れるかわからない。危険が分かりえない状況の中で、引退を決断することの難しさを感じていた。事実、過去数年間は毎年1年契約。1年ごとに自分が本当に続けるだけのモチベーションとコンディションがあるかどうかを見てきた。今年に入って、徐々に今のタイミングじゃないかと感じるようになってきた」
-日本サッカーに感じたたことは何か。
「自分はその場にいて、物事を見てから分析するのが好きなタイプなので、事前にイメージを持っていくようなことはしない。日本サッカーのレベルの高さは良い意味で驚きだった。ベテラン選手だけでなく、若くて才能があり、未来ある選手もたくさんいる。素晴らしい国だなってプレーして感じた。自分が最後の1年をここでプレーできたことを本当に喜んでいる」(まとめ・尾藤央一)