但馬

  • 印刷
ハチゴロウのはく製が展示された企画展会場=市立コウノトリ文化館
拡大
ハチゴロウのはく製が展示された企画展会場=市立コウノトリ文化館

 2002年8月5日に兵庫県豊岡市にやってきた雄の野生コウノトリ「ハチゴロウ」の歩みを紹介する企画展が、豊岡市祥雲寺の市立コウノトリ文化館で始まった。日本の空から野生コウノトリが姿を消して久しかった時期に飛来。07年に死ぬまで、空を舞い、餌をついばむ野生の姿を地元住民に示し、野生復帰事業に大きな役割を果たした1羽。普段は非公開のはく製や動画、歩みを紹介するタペストリーを通じ、その劇的な一生を振り返る。(阿部江利)

 コウノトリの研究や野生復帰事業の拠点施設「県立コウノトリの郷公園」が来年、開園20年を迎えることを受け、記念事業の一環として、敷地内にある同館で開催された。

 資料などによると、ハチゴロウの愛称は、豊岡に飛来した8月5日にちなむ。野生のコウノトリが絶えて国内に1羽もいなかった2000年、大陸から初めて日本に飛来。九州や山陰地域、北陸地域などを点々とした後、02年に同公園に初めてやって来た。

 ハチゴロウは次第に行動範囲を広げ、水路や湿地、円山川の河川敷などさまざまな場所で餌取りをするようになり、コウノトリの生態を身をもって教えた。当時は、飼育コウノトリを野外に放す計画が現実味を帯びてきたころで、長くその活動に関わってきた住民も「コウノトリが豊岡を選んだ」と活気付いたという。

 解説のタペストリーは全4枚あり、飛来からお見合い、07年2月の突然死までを、写真や図も交えながら順を追って説明している。ハチゴロウは飛来した翌年から1羽で巣作りを始めたが繁殖には至らず、最期は人が野外に放した雄との闘争で負傷し、死んでしまったことなどが分かる。

 生前のハチゴロウを知る同文化館の高橋信さん(63)は「市街地を背に飛ぶ姿には、本当に涙が出そうだった」と振り返り、「この町を選んで舞い降り、先駆者としてコウノトリについて教えてくれたハチゴロウは神様からの贈り物。『君のおかげで今がある』と伝えたい」と語る。

 コウノトリの繁殖地が全国に広がる中、「次はどの土地に行くのか」ということが焦点にもなっている。企画を担当した同公園の西井喜久さん(47)は、「ハチゴロウの歩みをたどれば、次に飛来する場所のヒントがあるかもしれない。ハチゴロウをテーマにした初の企画なので、ぜひ見に来てほしい」とする。

 31日まで。午前9時~午後5時。月曜休館。同公園TEL0796・23・5666

但馬の最新
もっと見る

天気(10月22日)

  • 23℃
  • 14℃
  • 0%

  • 24℃
  • 8℃
  • 0%

  • 25℃
  • 12℃
  • 0%

  • 24℃
  • 10℃
  • 0%

お知らせ