但馬

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ゴーグル型の機器やヘッドホンを付け、認知症を疑似体験する参加者たち=豊岡市大磯町
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ゴーグル型の機器やヘッドホンを付け、認知症を疑似体験する参加者たち=豊岡市大磯町
講演する下河原忠道さん=豊岡市大磯町
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講演する下河原忠道さん=豊岡市大磯町

 ゴーグル型の機器を顔に付け、認知症の人が見ている世界や症状を「バーチャルリアリティー(仮想現実、VR)」で体験する勉強会がこのほど、兵庫県豊岡市内で開かれた。但馬地域内外で、医療や福祉に関わる約50人が参加。高さや距離を把握する力が弱まる▽自分の居場所が分からなくなる▽幻が見える-などの症状や、患者の不安な気持ちを疑似体験し、認知症への理解を深めた。(阿部江利)

 同市で、医療と地域をつなぐ活動に取り組む若手医師らでつくる「モバイル屋台de健康カフェin豊岡」が主催。VR映像は、サービス付き高齢者住宅を運営する企業「シルバーウッド」(千葉県)が、認知症当事者の声を基に制作した。

 参加者たちは、タブレット端末を目の前に固定できる特殊な機器を取り付け、同社の下河原忠道社長(47)の講演を聴きながら、端末に映し出される映像を見たり、音を聞いたりして認知症の世界を体験した。

 用意されたVR映像は3本で、うち1本は、自分が高層ビルのへりに立つ感覚に陥るが、前や後ろから「足を踏み出して」と突然声をかけられるというもの。会場では「キャー」という叫び声も起きた。実は、デイサービスの送迎車から降りられない高齢者の「ビルの上からたたき落とされそうだった」との話から作られた映像で、下河原さんは「現実の状態より、本人の感情に目を向けるべきでは」と訴えた。

 続いて参加者は、人や虫などの幻覚が特徴の「レビー小体型認知症」などの実体験を基にした映像も体験。下河原さんは「認知症に距離を取ろうとせず、具体的に手を差し伸べられるか」「支援者ではなく、当事者が輝けているか」などと問いかけ、対等な関係や温かい気持ちが必要だと強調した。

 映像体験の合間には、「認知症とは?」という問題提起も。「徘徊や物忘れなどネガティブなイメージや、迷惑をかけるという前提で語られていないか」「私たち自身の価値を押しつけ、理論にそぐわないものを異常と見ていないか」などとも指摘。しきりにうなずく参加者らに、「認知症の人や家族が生きづらい社会が問題。認知症は誰かを困らせたい人ではなく、何かに困っている人だということを、改めて考え直す時期に来ている」と語り掛けていた。

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