但馬

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本番に向けて続く「赤野太刀振り」の稽古。木刀の切っ先を見つめる視線に気迫がこもる=豊岡市但東町中山
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本番に向けて続く「赤野太刀振り」の稽古。木刀の切っ先を見つめる視線に気迫がこもる=豊岡市但東町中山
神社境内に続く道で一列に並び、練習する住民ら=豊岡市但東町中山
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神社境内に続く道で一列に並び、練習する住民ら=豊岡市但東町中山

 日々秋が深まる中、兵庫県豊岡市但東町中山の赤野神社で、80年以上続く行事「赤野太刀振り」の稽古が続いている。7日の本番に向け、小学生から大人までが毎晩、太刀の回し方や構え方を入念に確認している。(秋山亮太)

 虫の声が響く3日午後8時。木刀を持った子どもたち約10人が、境内に集まった。「始めるで」。指導役の青年会長、福田泰是さん(29)らが合図する。参道で子どもらは一列に並び、太鼓や笛の音に合わせ、ゆったりとした動きで木刀を回したり、脚の下をくぐらせたりして舞った。

 赤野太刀振りは、1932(昭和7)年、同神社の社殿が改修されたことをきっかけに、秋季例祭の神事として住民たちによる保存会が始め、今も続く。集落を南北に走る道の3カ所で披露する「道振り」、神社に入りながら見せる「大門」、両手で太刀を持ち、縄跳びのように前後に何度も跳ぶ動きが入った、難易度の高い「宮振り」の三つの舞を奉納し、五穀豊穣や無病息災を願う。

 隣接する京都府の丹後地域から、原形が伝わったとされる。かつては周辺でも同様の芸能があったが、現在県内で残るのは赤野集落のみという。少子化などが進む中、今年も小中学生と青年を中心に二十数人が参加。このために帰省する人や、あこがれて近隣地区から参加する人もいるといい、隣の集落の西田光汰さん(16)=豊岡総合高1年=は「将来、地元の子どもに伝えられるよう、動きを体に染み込ませたい」と、繰り返し練習していた。

 本番では子どもらが、水色の羽織にたすきがけ、足首あたりを締めた「たっつけはかま」など、武士のような衣装で臨む。背丈以上の長さがある太刀は模造刀だが、50年ほど前は真剣だったという。経験者の同神社宮総代、小西康之さん(75)は「さやを抜くと同時に、すーっと背筋が冷たくなる。無駄口なんかたたけん。けがを防ぐためではなく、神さまに供えるもんを血で汚すわけにはいかんから」と振り返る。

 女子中学生らもはやしを演奏する「楽」に加わり、舞を盛り上げる。女子生徒(14)=但東中3年=は笛を担当。「太刀振りは何度見てもかっこいい。構えが決まった時は熱いものがこみ上げてくるほど。今は音楽での参加だけど、いつか女性初の太刀振り参加者になりたい」と話す。

 本番は7日午後0時半から。保存会会長の渡辺和志さん(57)は台風接近を懸念しながらも、「太刀振りは世代を超えて、地域を一つにしてくれる大事な存在。神さまに気持ちが伝わって無事披露できるはず」と意気込んでいた。

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