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豊岡市で新たに見つかった野口雨情の直筆書。「田舎乙女」という民謡の一節がしたためられている=豊岡市日高町
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豊岡市で新たに見つかった野口雨情の直筆書。「田舎乙女」という民謡の一節がしたためられている=豊岡市日高町

 童謡「シャボン玉」の作曲などで知られ、「出石小唄」など兵庫・但馬地域を題材にした歌詞や詩も残した詩人・野口雨情。その新たな直筆書がこのほど、豊岡市日高町で見つかった。昭和初期に発表された、雨情作詞の民謡「田舎乙女」の一節を書いたもので、神戸新聞読者の情報提供がきっかけで確認された。雨情について研究する関係者らによると、同民謡の歌詞としては全国初出の直筆書で、「貴重な資料になる」という。(秋山亮太)

 直筆書が残っていたのは、同市日高町の旧家。床の間に飾っている掛け軸の一つで、縦約130センチ、横約40センチの和紙に、細く柔らかいタッチで「おまへは田舎の乙女さま お馬で朝草かりにゆく」と書かれている。家主の男性(71)と親しい、地元の建具屋の男性(82)が神戸新聞社に情報を寄せた。以前障子替えの際に見た掛け軸を覚えており、10月10日付但馬版に掲載された「『豊岡小唄』の雨情直筆の掛け軸発見」という記事を見て、「字や署名が似ている」と感じたという。

 雨情の孫で「野口雨情生家資料館」(茨城県)の野口不二子代表の鑑定によると、直筆書にあった詩は雨情作詞の民謡「田舎乙女」の第1節と判明。同代表は、「筆跡から、野口雨情本人が書いたもので間違いない」とした。「野口雨情記念館」(同)で館長も務めた研究家の清水常光さんによると、民謡「田舎乙女」は1928(昭和3)年発刊の「民謡詩人」に掲載された。研究家らの間では知られている歌詞だが、題材にした直筆書はこれまで見つかっていなかったという。

 本物だと分かり、家主は「そんなすごいものだったとは」と驚いた様子。同書は父から引き継いだものだが、入手の経緯や時期は一切不明だったといい、「どんな書なのか明らかになってうれしい」と喜んだ。

 直筆書は30日まで、豊岡市出石町内町の市立美術館で開催中の「野口雨情展」で、追加展示されている。同展を主催する「出石民謡保存会」の渋谷朋矢副会長は「田舎乙女の書が、なぜ豊岡に残されたのか。その謎を探究する面白さも加わり、雨情ゆかりの地としての豊岡市の魅力がさらに深まった。地域の宝が守り継がれてきた旧家に感謝したい」と話した。

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