但馬

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暖かな日が続いたせいで気長に越冬準備? 11月初め、香美町のマンションに大量に飛来したクサギカメムシ=香美町香住区下浜
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暖かな日が続いたせいで気長に越冬準備? 11月初め、香美町のマンションに大量に飛来したクサギカメムシ=香美町香住区下浜
香美町村岡区の道の駅「あゆの里矢田川」に張られた手製ポスター。「カメムシにはムシが一番」と呼び掛ける=香美町村岡区長瀬
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香美町村岡区の道の駅「あゆの里矢田川」に張られた手製ポスター。「カメムシにはムシが一番」と呼び掛ける=香美町村岡区長瀬

 晩秋を迎え、冬の気配が漂う兵庫県但馬地域で、「今年は大雪になりそう」といううわさがささやかれている。10月以降、各地でカメムシの目撃情報が相次いだが、「大量に発生した年は大雪に見舞われる」という言い伝えがあるからだ。しかし気象庁によると、今年は暖冬になりそうだという。果たして“カメムシの予言”は実現するのだろうか。(金海隆至)

 10月下旬から11月上旬にかけ、香美町香住区下浜のマンションでは、茶褐色の「クサギカメムシ」が壁や廊下の一面を覆うほどに飛来した。居住11年目の主婦(36)は「ここまで大量に目撃した年は、記憶にある限り初めて。子どもを外で遊ばせることさえためらう」と困惑した表情だ。

 11月中旬を過ぎても暖かな日が続いたせいか、クサギカメムシの目撃情報は収まる気配を見せない。養父市大屋町の建設会社営業所の男性(65)は、「暖房が効いた事務所に壁の隙間から侵入し、昨年の3倍以上はいる。外壁や窓に付いているものも含めれば、多い時で1日100匹ほどいたのでは。(悪臭を放つ前に捕まえるための)ガムテープが手放せない」と話す。

 電話回線の修理で但馬地域を巡回するNTT西日本の男性社員は「沿岸部だけでなく、山間部の民家にも多い。今年は間違いなく大雪ですよ」と苦笑した。

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 兵庫県立農林水産技術総合センターの病害虫防除所(加西市)によると、クサギカメムシは通常、日当たりの良い山の斜面などで、スギやヒノキの球果を食べて生息。毎年の発生数は球果の生育状況などに影響されるという。しかし今年は4~9月に北部(朝来市和田山町)と淡路(南あわじ市)の農業技術センターを含む計3カ所で、明かりに集まる習性を利用して観測数を調べたところ、過去8年の平均値より少なかったという。

 そのため、担当の研究員は「大量に発生したとは一概に考えにくい」とし、降雪量との関連については「雪の多い地方の民間伝承で、科学的な根拠はありません」ときっぱり。

 ではなぜ但馬でこれほど目撃情報が多いのか。クサギカメムシの成虫は気温が下がり始める秋口から、朽ち木の下やひびの間など、遮られた暖かな場所を探して越冬の準備を始める。今年は9月に台風が2度接近した。研究員に「台風で山のすみかが荒らされたからでは」と尋ねると、否定できないとしつつも、「一度越冬の準備に入ったカメムシが、寒暖の繰り返しが続いたせいでまた動きだし、人家に飛来して目にする機会が増えたのでは」という答えが返ってきた。

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 実は、今年と同様にカメムシが但馬などで大量に目撃された2013年冬、「カメムシが多く、大雪になるのでは」という神戸新聞の記事が掲載された。この年の冬は気象庁も「日本海側は平年以上の雪が降る」と予報。しかし同年12月から14年2月の観測データによると、日本海側の降雪量は平年より少なかった。

 では今シーズンはどうだろう。気象庁の12月から来年2月までの3カ月予報によると、近畿地方の平均気温は平年より高く、日本海側の降雪量は「冬型の気圧配置が長続きしないため少ない」とする。

 では「暖冬」なのかと思いきや、神戸地方気象台は「エルニーニョ現象が発生した影響で予測不能な面がある。寒気が一時的に流れ込み、但馬でも局所的に大雪になる可能性がある。十分に注意を」と呼び掛ける。カメムシの予言だけに、結果は“「カメ」のみぞ知る”というところだろうか。

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