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「斬、」について語る塚本晋也監督=豊岡劇場
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「斬、」について語る塚本晋也監督=豊岡劇場
上映前には舞台あいさつがあった=豊岡劇場
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上映前には舞台あいさつがあった=豊岡劇場

 豊岡劇場(兵庫県豊岡市元町)で上映中の時代劇映画「斬、」を手掛けた塚本晋也監督(58)が3日、同劇場を訪れて舞台あいさつに臨んだ。神戸新聞のインタビューに応じ、国同士の関係が悪化して世界情勢が不安定になる中、「日本も戦争へと近づいている危機感や不安があり、今この映画を作らなければと思った」と話した。(秋山亮太)

 「鉄男」や「野火」などの作品で知られる塚本さんにとって、「斬、」は初めての時代劇。脚本も自ら書いた。江戸末期の農村が舞台で、俳優の池松壮亮さん演じる青年浪人の心の葛藤や、生と死について描く。20年以上前から考えていた「命を奪う刀の存在に対する疑問や、加害者になる恐怖を感じていた武士もいたのではないか」という思いが、今回の作品づくりの根底にあるという。

 自身も剣の達人として出演した。家族を殺された娘のために刀を抜いた姿は、娘の立場から見れば英雄だが、視点を変えれば殺人者にも捉えられる。「時代劇に多い敵討ちだと思わせ、逆の見方も考えてもらうような展開にしたかった」と話す。

 蒼井優さん演じる娘は「現代の私たちにもっとも近い存在」だという。大事な人が戦に出ることを心配し、そうならないよう願う一方で、家族が犠牲となると当然報復を願う。「暴力の本当の恐ろしさは、身の回りに起きないかぎりイメージできない」というテーマを、娘の姿を通じて描いたという。

 撮影直前には、殺陣の練習で腰を痛めるハプニングも。前半は腰をかばいながら演じたが、「しずしずと動く様が、かえって達人らしさを強調できたかも」と笑う。

 3回目となった豊岡市訪問。「映画は娯楽である一方、自分の人生を振り返り、社会について考えるきっかけでもあってほしい」と訴える。間もなく4周年を迎える同劇場には「今見るべき作品を発信しつづけてほしい」とエールを送った。

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