但馬

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京阪神を中心に、関西で一般的に食べられている「白みそ仕立て」の雑煮。
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京阪神を中心に、関西で一般的に食べられている「白みそ仕立て」の雑煮。
国内では山陰地域の一部にだけ分布するとみられる「ぜんざい(小豆汁)」の雑煮
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国内では山陰地域の一部にだけ分布するとみられる「ぜんざい(小豆汁)」の雑煮
東日本や中国・四国・九州地方にある「すまし仕立て」の雑煮。但馬地域でも各地で食べられている
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東日本や中国・四国・九州地方にある「すまし仕立て」の雑煮。但馬地域でも各地で食べられている

 新年、明けましておめでとうございます。平成最後のお正月、いかがお過ごしですか? 正月といえばお雑煮。兵庫県豊岡市竹野町には、地元の上質なノリと丸餅だけを入れた、赤みそ仕立ての雑煮があると聞きました。「では、他の地域は?」。調べてみると、何ということでしょう! 白みそに小豆ぜんざい、すまし。但馬には、想像以上に豊かな食文化の世界が広がっていました。(阿部江利)

 赤みその雑煮を教えてくれたのは、竹野町の花房順子さん(69)。じゃこだしで丸餅を煮込み、赤みそで味付け。真冬に採って干した岩のりを火であぶり、ふりかけたら完成だ。「このあたりでは昔から、各家でみそを造っていました。のりは、12月に採れるものが一番香りがいい」。すがすがしい磯の香りは、竹野ならでは。豊岡市千代田町の40代女性の元日は、合わせみそで丸餅を煮込み、かつお節を振りかけたものか、鶏肉などが入ったすましのいずれかが食卓に。2日は何と「小豆ぜんざい」。雑煮がぜんざいなんて、初めて聞いた。

◆西の県境

 ほかはどうだろう。まずは西の県境を調べよう。新温泉町などで開かれた、山陰海岸ジオパークの懇談会場で尋ねた。

 鳥取砂丘のガイド、鳥取市の女性(56)も「小豆雑煮」だ。粒あんを水で溶き、甘みを出す塩を入れ、餅を入れて丼鉢で。「雑煮と言えばこれしか知らない」。豊岡市竹野町のジオカヌー指導員(69)も「ぜんざい」で、譲り葉に小豆を添え、神様にも供える。

 鳥取市に隣接する新温泉町はどうか。同町出身の県職員(51)は「白みそベースに丸餅」で、小皿に黒豆を添える。同じ町内でも、旧浜坂町出身の新温泉町議、平澤剛太さん(45)は「カツオ仕立てのすまし汁に丸餅」で、鶏肉やニンジンが入るという。

◆香美町

 次は香美町だ。棚田で有名な同町の女性は、西宮市出身。「すまし汁に丸餅二つ」で、飾りかまぼこや鶏、ユズも入る。同町の男性も「すまし汁に丸餅」で、上にカツオやサバの削り節をパラパラとかける。「板仕野では、だしと餅、かつお節だけと聞いた」という。

 同町香住区三谷の発酵食品会社「トキワ」で昨年12月にあった料理教室では、同社の調味料を使うすまし仕立ての雑煮を紹介。同町在住の女性社員は「うちは白みそではなく、『合わせみそ』。家庭によって、本当にいろいろですよ」

◆南但など

 東や南但地域はどうか。京都府京丹後市の人は「白みそではなく、普通のみそ」「合わせみそ」と回答。養父市大屋町在住で、天然温泉「まんどの湯」の鎌田薫副支配人(63)は、「合わせみそに丸餅、ネギ、削り節」。同町周辺は合わせみその家が多いという。

 朝来市生野町口銀谷の生野まちづくり工房「井筒屋」の斉藤敬子さん(69)は白みそで、「おわんに丸餅2個、ゆがいたホウレンソウ、かつおぶし」。地域にはすまし汁の家も。「生野には銀山やその社宅があったので、関東やいろんな地域の文化が混ざっているのでは」と推測する。

     ◇

 調査をまとめると、但馬地域には「赤みそ」「ぜんざい」「白みそ」「すまし仕立て」「合わせみそ」が混在しているようだ。しかし、境界線は分からない。「谷ごとに言葉が変わる」とも言われる但馬。多彩な食文化は、人の往来や交流の歴史とも密接な関係がありそうだ。

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