兵庫県神河町大河の竹筆・竹紙作家田崎博和さん(71)の個展「筆の世界 竹に惹かれ 竹にこだわる」が、朝来市生野町口銀谷、まちづくり工房「井筒屋」内のギャラリーで開かれている。白から茶色に変色した紙や大小さまざまの竹筆など約100点が並ぶ。31日まで(月曜休館)。
田崎さんは30年以上前に作品制作を始め、現在は神河町で工房「夢中庵」を開く。竹筆・竹紙の愛用者だった作家の故水上勉さんをはじめ、多くの美術家らを魅了してきた。
筆には、繊維が密集している竹の根元部分を使い、くしでそろえて束ねる。紙は立ち枯れた竹を活用。約3年間水に浸し、4、5日間鍋で煮た後、石臼で砕いてから紙すきに取りかかるという。
凹凸のある竹紙に写した木版画はインクが均一に付かず、かすれているため、独特の温かみを演出。田崎さんは「木版画だと奥行きがあって立体感が出る。竹で表現できる趣を感じてほしい」と話している。
入場無料。午前9時~午後5時。井筒屋TEL079・679・4448
(竜門和諒)
