但馬

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出石特別支援学校みかた校の児童生徒らの力作を手にする森脇眞理子さん=香美町村岡区鹿田
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出石特別支援学校みかた校の児童生徒らの力作を手にする森脇眞理子さん=香美町村岡区鹿田
国道9号沿いのカフェ「森ちゃんの隠れ家」。店内にはまきストーブも=香美町村岡区鹿田
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国道9号沿いのカフェ「森ちゃんの隠れ家」。店内にはまきストーブも=香美町村岡区鹿田
森脇俊晴さん
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森脇俊晴さん
開校5年目を迎えた出石特別支援学校みかた校=香美町村岡区川会
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開校5年目を迎えた出石特別支援学校みかた校=香美町村岡区川会

 鮮やかな「さをり織り」の小物に絵画、丁寧な手仕事が光る木工品-。開校5年目を迎えた出石特別支援学校みかた校(兵庫県香美町村岡区川会)の児童生徒らによる作品展が初めて、同町村岡区鹿田のカフェ「森ちゃんの隠れ家」で開かれている。分校の創設には、同町教育長を務め、4年前に61歳で亡くなった元店主の森脇俊晴さんが尽力。その情熱と奮闘を支えた妻眞理子さん(65)は「古里の子の成長は、地域の皆で温かく見守りたい」と願う。31日まで(月、火曜休み)。(金海隆至)

 「どんな子どもも、生まれ育った地域で教育を受け、住民と関わり、暮らせるようにしたい」。教育論を話し始めると止まらなかった俊晴さんが持ち続けた信念だ。

 46歳の若さで美方町(現香美町小代区)の教育長に就任し、地域ぐるみのふるさと教育に手腕を発揮。2005年の3町合併後も香美町教育委員会の要職を務めた。07年春に退職し、念願だったカフェを地元に構えたが、請われる形で11年に同町教育長に就いてからは、郷土の教育の充実という夢に向かって再び走り始めた。

 小規模小学校でも近隣校との連携で多人数の授業に取り組める「学校間スーパー連携チャレンジプラン」を導入し、児童たちの学力向上に努めた。次に力を注いだのが、出石特別支援学校みかた校の開校だった。

 元小学校教諭の眞理子さんは約30年前、出石養護学校和田山分校(現和田山特別支援学校=朝来市和田山町竹田)で担任を務めた。当時、遠方から通う体が不自由な子どもは寄宿舎での生活を余儀なくされていた。「親にとって、入学式が子どもの成長を喜ぶ日であり、悲しい別れの日でもあった」と振り返る。

 長年、特別支援教育の空白地帯だった美方郡も例外ではなかった。知的障害のある子は、出石特別支援学校(豊岡市出石町宮内)や鳥取県の特別支援学校へ通学。保護者は片道1時間以上かけてJRや車などによる送迎を強いられていた。

 新温泉町の関係者らと県教委に粘り強く訴えたかいあって、旧射添中学校の校舎を改修して15年4月13日、みかた校が開校した。しかしその日を約2週間後に控えた3月27日、俊晴さんは胃がんで逝った。

 作品展は、香美町出身で今春着任した三宅美奈子教頭(49)が「児童生徒や学校の存在を身近に感じてもらい、地域での就労先を増やすきっかけにしたい」と開催を打診。同校の授業や役割を模造紙で紹介し、小中高等部全27人の力作を店内のギャラリーに並べた。

 夫の愛称に由来した店を一人で切り盛りする眞理子さんは、地域住民だけでなく、夫妻の教え子らが遊びに来るたびに「教職だけを務めていたら、人の輪がここまで広がることはなかった。いい遺産を残してくれた」と感謝する。笑顔でカウンターに立ちながら「訪れる人の幸せの上にこの店の成功はある」と語っていた俊晴さんの言葉をかみ締めている。

 午前11時~午後4時。同店TEL0796・98・1422

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