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「生野歴史カルタ」の読み札や解説冊子を制作した小島真理子さん(左)と佐藤幸子さん=朝来市生野町
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「生野歴史カルタ」の読み札や解説冊子を制作した小島真理子さん(左)と佐藤幸子さん=朝来市生野町
佐藤文夫さんが遺した「生野歴史カルタ」のメモ=生野書院
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佐藤文夫さんが遺した「生野歴史カルタ」のメモ=生野書院

 兵庫県朝来市生野地域の歴史を題材に、元生野町長の故佐藤文夫さんがメモに遺した「生野歴史カルタ」が、妻の幸子さん(87)=同町=や書家の小島真理子さん(62)=同町=らの手で形になりつつある。このほど小島さんが中心となって読み札と解説をまとめた冊子と展示用の読み札が完成。幸子さんは「誰にでも親しみやすいかるたで、生野の歴史を知ってもらうきっかけになれば」と話している。

 「コワニエの 石組のこる 金香瀬坑」(い)▽「新政の 草分けなりき 生野義挙」(く)▽「博文の ドンチャン騒ぎ 祝い酒」(と)-。

 読み札の2句目の文字を取らせるのが特徴。冊子では、生野銀山の発展に貢献したフランス人技師コワニエや、倒幕を目指して農兵が生野の代官所を占拠した生野義挙など、空札を含む全47句に丁寧な解説が添えられている。

 文夫さんは旧生野町長を1987年から2期8年務め、幸子さんによると、俳句を愛した筆まめな性格。生野生まれで歴史にも造詣が深く、同県豊岡市の住民が地元を題材に作った「港かるた」が2011年の新聞で紹介されたのを見て、制作を決めたという。

 翌3月には港かるたを作った住民らを訪ね、その日の日記には「いい勉強になった」の文字も。その後、生野地域を改めて見て回り、過去の文献なども熟読。その過程で「生野史」の誤植を見つけ、指摘したこともあったという。

 しかし、読み札と解説文作成の半ば、2016年に86歳で亡くなった。遺された解説原稿にはいくつもの推敲の跡があった。知人で元国語科教諭だった小島さんがそれを見て「とても情熱を注いでいたのが見て取れる。まさに文夫さんの集大成」と感銘を受け、今年11月3日にあった生野町文化祭での展示を発案した。

 文夫さんの原稿で、「ふ、る、ん、空札」の4句には納得がいかなかったのか、完成を意味する丸印がなかった。小島さんは、文夫さんの町長時代の寄稿などを徹底的に調べて類似の表現を引用。今年一夏かけて冊子にまとめた。

 幸子さんは「感謝の気持ちでいっぱい。あの人も喜んでいると思う」と感無量の様子。小島さんは「かるたを読んで当時に思いをはせるだけでも面白い。学校などいろんな場面で手にとってもらいたい」と話す。

 生野書院(同町口銀谷)で読み札を展示、冊子も無料で手に入る。今後は絵札も制作し、完成させたいという。市生野支所TEL079・679・2240

(竜門和諒)

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