但馬

  • 印刷
中野嘉容さん(左)が製作したホルスター型かばんを身に付ける谷口和隆さん=カバンツクリエーション0203
拡大
中野嘉容さん(左)が製作したホルスター型かばんを身に付ける谷口和隆さん=カバンツクリエーション0203

 兵庫県豊岡市に住む全盲の谷口和隆さん(57)が、白杖を持つため片手がふさがる外出時に安全に使える「ホルスター型」かばんを考案し、かばん職人の中野嘉容さん(50)が製品化した。転倒しそうになった際に支えるもう片方の手をふさがず、立ったり座ったりしても位置を変えずに済むよう体にぴたりと沿う薄型。インターネットで紹介すると反響が大きく、谷口さんは「シンプルなデザインで身軽に外出でき、健常者でも使いやすいはず」と話している。(石川 翠)

 谷口さんは百貨店で働いていた20代半ばに目に異常が出始め、30代で完全に失明した。大阪から地元に戻り、視覚障害者専門のソフト開発会社を起業。スマートフォンアプリなどを開発している。

 外出時に、ズボンのポケットに入れていた財布を落として探すのに苦労したり、スマホをかばんから取り出す際に誤って着信を切ってしまったりしたことがあるため、常時身に付けていられるかばんを探していた。ウエストポーチはスーツに似合わず、ショルダータイプはひもがひっかかることもあり、刑事ドラマで見た拳銃を入れる「ホルスター」を思い付いた。

 国内最大のかばん産地、豊岡なら実現できるかもしれないと思い、市内の業者などに手当たり次第、電話で依頼したところ、7月に「カバンツクリエーション0203」(同市中央町)の中野さんに出会った。

 谷口さんが段ボールとガムテープで作った見本を元に製作を開始。脇の少し下にかばんがくるように、左肩から太めの革のベルトでフィットさせ、ゴムベルトを背面に伝わせて右肩にかけて固定する。試作品を身に付け、物が落ちずに出し入れしやすいようにファスナーの位置や外側のスマホ入れのゆとりを細かく調整。10月末に完成した。上から上着も着られる。

 使い心地に感動した谷口さんは、2人の頭文字と出会った年から「TN19」と名付け、ホームページなどで紹介。1カ月で約20人の視覚障害者から購入希望の連絡が入ったという。

 知的障害のある兄がいるという中野さんは「視覚障害者が駅のホームで転落したというニュースを見ても人ごとではないと感じていた。少しでも役に立てるなら」と知恵を絞り、価格も1万6500円に抑えた。

 谷口さんは「障害者には困難がたくさんあり、外出が面倒になることもあるが、多くの人にこの快適さを感じてほしい。仕事で動き回る健常者にも使いやすいはず」と話している。

 左肩用で長さ23センチ、横16センチ、厚さ2・5センチ。内側は間仕切りもでき、ベルトの着脱や調整も可能。オーダー制。神戸の東急ハンズ三宮店で22日まで開催している「カバンストリート」フェアに中野さんも出店し、TN19の試作品を展示している。

但馬の最新
もっと見る

天気(10月25日)

  • 20℃
  • 12℃
  • 0%

  • 20℃
  • 10℃
  • 10%

  • 20℃
  • 12℃
  • 10%

  • 22℃
  • 10℃
  • 10%

お知らせ