但馬

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かばんのパーツの縫製などを行う利用者=しいの実作業所
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かばんのパーツの縫製などを行う利用者=しいの実作業所
加工品のバリ取り作業をする利用者=たじま聴覚障害者センター
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加工品のバリ取り作業をする利用者=たじま聴覚障害者センター

 新型コロナウイルス感染防止のため「ステイホーム(家にいる)」ことが求められる一方、障害者支援などを担う福祉関係者は「情報を得にくい障害者が暮らしていけるのか」「生活リズムが崩れると体調が悪化する」など、厳しい状況への不安を募らせる。豊岡健康福祉センター(兵庫県豊岡市城南町)で作業所や居場所スペースを運営する4団体の代表に聞いた。(石川 翠)

 「たじま聴覚障害者センター」は19~92歳の17人が利用。うち13人が60代以上で、独居の人もいる。

 小林泉所長(47)によると、ろう学校が義務化された1948年までは教育を受けにくかったため、文字を書けない高齢者も多いという。感染の疑いがあった場合、保健所への連絡や医療従事者との意思疎通も難しい。通常、病気になった場合は職員や手話通訳者が同行するが「感染リスクを考えるとどうしたらいいのか」とする。

 健常者に比べて生活情報も得にくいため、センターで情報収集や困り事の対処などをしている。単に作業するだけでなく、社会で生きるために必要不可欠な場所。「但馬で感染者が出た場合には休所も検討しなければいけないが、正直なところ、どうすればいいのか分からない」と表情を曇らせる。

     ◇

 精神障害者12人が通う地域活動支援センター「ざくろ」では、高齢者施設での紙芝居上演など地域活動は休止になり、センター内での軽作業も受注がほとんど止まった。

 福井敏明所長(65)は「一つの動作でも口頭で説明するだけでは伝わりにくいので、本人が動きやすいように行動を共にするなどが必要。ずっと自宅にいるとなると、そうした支援ができなくなり、うつ状態にもなりやすい」と心配する。見えにくい障害のため疎外される場面も多く、安心して来られる居場所の重要性は高いという。

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 地場産業のかばんのパーツ縫製などを担う「しいの実作業所」では、発注元の企業が従業員を在宅ワークに切り替え、内職を割り振っているため、仕事が回ってこなくなったという。岩本里美施設長(58)は「精度の高い技術力を認められて大きな仕事を受け、工賃にも反映してきた。削減しないようにしたいが…」と声を落とす。

 本人だけで規則的な生活を保つことは難しい人もおり、「休所した場合、生活リズムが崩れ、出てこられなくなることも大きな心配」という。

     ◇

 学校休校の長期化による子どもの生活リズムの崩れを心配するのは、不登校・引きこもり支援の「ドーナツの会」の戸田和代事務局長(69)。「再開しても登校できなくなる子が出てくるのでは」と懸念する。

 定期的に開いていた子ども食堂は休止したが、居場所は解放している。家から出ない生活が長期化すると精神疾患を患うことも多いといい、「図書館など自分の好きな場所に行くなどで社会参加することが大切だが、行く先がなくなると、本人にも家族にとってもつらい状況」と話す。

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