但馬

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照明機器の上に積み上げられたツバメの巣。色が違うのは吉田宗玄住職が補強した部分
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照明機器の上に積み上げられたツバメの巣。色が違うのは吉田宗玄住職が補強した部分
ツバメの巣を見上げる吉田宗玄住職=萬休寺
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ツバメの巣を見上げる吉田宗玄住職=萬休寺

 まるでピサの斜塔-。兵庫県豊岡市祥雲寺、萬休寺(まんきゅうじ)の玄関天井近くに、巨大なツバメの巣が斜めに傾いて作られている。46年前に照明機器の上に作って以来、毎年飛来して少しずつ建て増ししてきたという。高さ50センチほどに積み上がった斜塔の上からヒナが顔を出す様子に、専門家も「見たことがない」とうなる。(石川 翠)

 吉田宗玄住職(77)によると、1974年に玄関などを改築。つり下げタイプの球体の照明機器を取り付けたところ、飛び込んできたツバメが球体の上に巣をこしらえた。それ以来ほぼ毎年、少しずつ土などを継ぎ足して子育てを続けてきた。一度も点灯することがないまま、照明は別に設置した。

 巣は垂直に積み上げられていたが、30年が過ぎた頃にバランスを崩し、傾き始めたため、見かねた吉田住職がツバメの留守を見計らい、巣をガムテープでコードに固定。その上に田んぼから持ってきた土でぺたぺたと“左官工事”を施した。倒壊の危機を免れた巣は斜めになったまま、さらに積み上げられた。

 同寺は、コウノトリの保護繁殖に取り組む県立コウノトリの郷公園のすぐそば。鳥類の専門家たちは「子育てしやすい形の巣でもない。よほどすみやすいのだろう」と驚く。

 今年もヒナを狙って侵入した1メートル以上のヘビを吉田住職が撃退。「殺生はできないので逃がしたら、その後も何度もやってきて寝られなかった」という。心優しい吉田住職にツバメの信頼は厚いようで、親鳥が「ピーピー」と警戒音を発した時に吉田住職が「トットットット」と口ずさむと、不思議と警戒音は収まる。

 「これまで数百羽を見送ってきて、家族の一員のように感じている」という吉田住職の不安は、あと15センチほどで天井に到達してしまうこと。「その後はどうするのだろう」と見上げた。

■見たことない形 県立コウノトリの郷公園の出口智広主任研究員の話

 見たことのない珍しい形。積み上げる理由は分からないが、屋内なので風によって倒れることなく、奇跡的に残っているのではないか。東南アジアから飛来するツバメが減っている中、46年も続いているのは子育てしやすい環境の証し。周辺には餌となるトンボやカゲロウなどが多く、コウノトリにすみやすい環境をつくってきたことが他の鳥にもすみやすいということだろう。

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