但馬

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車で走行中、目の前に飛び出してきたコウノトリ。停車すると横断していった=豊岡市出石町鳥居(撮影・阿部江利)
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車で走行中、目の前に飛び出してきたコウノトリ。停車すると横断していった=豊岡市出石町鳥居(撮影・阿部江利)
孫に当たる幼鳥(左)に襲い掛かるJ0228(右)に対抗する息子のJ0025(中央)=豊岡市内、2019年7月1日(高橋信さん提供)
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孫に当たる幼鳥(左)に襲い掛かるJ0228(右)に対抗する息子のJ0025(中央)=豊岡市内、2019年7月1日(高橋信さん提供)
コウノトリの頭の模型を着けているのはベテラン飼育員の船越稔さんの手。保護したヒナたちへの餌やりも、人間慣れしないように工夫している=県立コウノトリの郷公園(同公園提供)
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コウノトリの頭の模型を着けているのはベテラン飼育員の船越稔さんの手。保護したヒナたちへの餌やりも、人間慣れしないように工夫している=県立コウノトリの郷公園(同公園提供)
負傷したコウノトリたちを処置してきた獣医師の松本令以さん。羽を広げると2メートルほどになる大きさだけに、処置をした後、動こうとして悪化させないようにするのが大変という。コウノトリ専用の本格的な手術台に横たわっているのは模型=県立コウノトリの郷公園
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負傷したコウノトリたちを処置してきた獣医師の松本令以さん。羽を広げると2メートルほどになる大きさだけに、処置をした後、動こうとして悪化させないようにするのが大変という。コウノトリ専用の本格的な手術台に横たわっているのは模型=県立コウノトリの郷公園

 今や兵庫県の豊岡では日常的に見かける身近な鳥になったコウノトリ。野生復帰に向けて放鳥された2005年以来、順調に増え続け、国内の野外で暮らす個体は今年6月25日、200羽を超えた。とはいえ、意外と知られていないことも多い。そんなコウノトリのトリビア(豆知識)を紹介する。あなたの知らないコウノトリ、題して「コウノトリビア」。(石川 翠)

■愛称がない(心温まる度★★★)

 見守る住民たちは「J0391とJ0294のペアのもとで元気な赤ちゃんが育ってる」といった会話を交わす。これだけ大事にされているのに愛称がない。不思議だ。

 他府県では愛称を募集する自治体もあるが、兵庫県では識別用の足輪の装着時に番号が割り振られるだけだ。200羽も名前を覚えられる自信はないが、なんとも味気ない-なんて思っていたが、実は愛情ゆえのこと。野生復帰事業を始めた当初、飼育員がコウノトリに「いつか野に帰す」と語り掛けた「コウノトリとの約束」と呼ばれる逸話があり、親しみを感じすぎないようにあえて愛称も付けなかったという。

 ちなみに、2002年8月5日に中国大陸から豊岡市に飛来し、5年ほど暮らして住民に親しまれた野生のコウノトリは、番号が付けられないため、飛来した日付から「ハチゴロウ」と名付けられた。

■車で接触したら物損事故(気を付ける度★★★)

 コウノトリを車ではねてしまったらどうなるのか。国の特別天然記念物なので、故意に傷つければ文化財保護法違反になるが、そうでなければ物損事故として処理されるようだ。

 負傷したコウノトリを助けようと近づくと、目などを突かれる恐れがあるので、警察への連絡とともに県立コウノトリの郷公園に連絡を。

 狩猟用のわなや防獣ネットなど人工物で死傷することも増えており、昨年7月には「トラバサミ」に挟まれて指の一部が壊死(えし)したケースも。トラバサミの使用は原則禁止されており、同法や鳥獣保護法違反に当たる可能性もある。

■コウノトリの敵はコウノトリ(怖い度★★★)

 コウノトリは神経質で気性が荒い。サギなど他の鳥は気にしないが、自身の縄張りにコウノトリが入ってくると追い払い、お見合い相手でさえも相性が合わなければ攻撃するほどだ。特に繁殖時期には、巣に近づいた相手をくちばしで何度も突き刺すなど容赦ない。

 国内で46年ぶりに野外でのひなを巣立たせ、昨年7月に死んだ雌「J0228」は、成鳥になった息子「J0025」との縄張り争いが激化。孫に当たる幼鳥に襲い掛かり、息子と激しく戦う様子も目撃された。負傷して田んぼでうずくまっているところを保護されたが、肺に到達した刺し傷もあり、死んでしまった。

■「無戸籍コウノトリ」がいる(驚き度★★★★★)

 コウノトリは研究者でも見分けることが難しいほど見た目がほとんど同じ。ひなのときに装着する足輪で識別している。足輪には識別番号を付けているが、中には番号がない“無戸籍”のコウノトリがいるという。

 郷公園のカウントでは「識別不能個体」は原則として数えない。とはいえ、無戸籍でも、落ちた羽根から採取したDNAを解析して個体を科学的に判別できたり、巣にとどまって繁殖したりすると、野外個体数に数えることもある。

 しかし、カウントされていない無戸籍のコウノトリが現在、2羽いるとみられる。本当の「200羽達成」はもう少し早かったのだ。

 足輪は飼育員が高所作業車で巣の近くまで上ってひなに取り付けるが、かつては田んぼなどに降り立ったときにネットで捕獲する手法だった。しかし相手は鳥。タイミングを見計らうが、飛び去って戻らないこともあったという。

 今年5月下旬、京都府京丹後市の電柱上で生まれた3羽は、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言のため、電力会社が複数人で送電を止める作業ができなかったことから足輪装着作業を断念した。200羽カウントには入れたが、今後は無戸籍としてカウントするかどうか検討中だそうだ。

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