但馬

  • 印刷
フロア買い取り案を巡って揺れる商業施設「アイティ」=豊岡市大手町
拡大
フロア買い取り案を巡って揺れる商業施設「アイティ」=豊岡市大手町
中貝宗治市長(左)に反対派議員を代表して質問状を手渡す福田嗣久議員=9月29日、豊岡市役所(撮影・阿部江利)
拡大
中貝宗治市長(左)に反対派議員を代表して質問状を手渡す福田嗣久議員=9月29日、豊岡市役所(撮影・阿部江利)

 兵庫県豊岡市がJR豊岡駅前の商業施設「アイティ」(同市大手町)の4階フロアを買い取り、子育てと生涯学習の支援拠点を整備する計画を巡り、市議会の賛否が拮抗(きっこう)している。中心市街地のランドマークが空きビルになる危機に端を発した計画だが、高額の公金を投入することに慎重な意見が上がり、議員の半数が反対を表明する異例の事態となった。継続審査となった予算案は、8日の予算決算委員会分科会を経て、9日に開かれる同委員会で採決され、実質的に決定する見込みだ。(石川 翠)

 計画は、アイティ1階のスーパーを経営する「さとうグループ」(本部・京都府福知山市)が昨年10月、駐車場の負担金が重く、大幅な赤字が続いていることから、店舗撤退を含む協議を市に申し入れたことがきっかけで浮上した。市は、中心市街地の空洞化や、建物を運営する第三セクターの破綻を懸念。今年7月、さとう側に負担金減額と4階フロアの買い取りを提案することで、店舗を存続させる合意に至った。

 市議会9月定例会では、約7億円の関連予算案を提出したが、委員会の分科会で反対派が半数を超え、否決の可能性が高まった。それを受けて、中貝宗治市長は9月24日、ふるさと納税を充てて予算財源を組み替えるという異例の修正案を提案。「市民負担は実質的にゼロになる」と強調し、継続審査となった。

    ◇

 定例会が閉会した29日、反対を表明する5会派11市議は、市長に連名の質問状を提出した。「さとうが撤退すればいいとは考えていない。多くの論点が残されているのに、市の姿勢は性急だ。もう一度協議し、納得できる公金の使い方を考えたい」とした。

 テナントの駐車場負担金は売り場面積に比例するが、買い取り以外に市への「フロア貸し出し」でも軽減可能で、集客策と合わせて検討できる-などとする。

 青山憲司議員は「市の財政見通しでは、今後10年間の赤字が約49億円に上ると示されたばかり」。奥村忠俊議員は「(出石地域の)ひぼこホールは1万人超の反対署名が集まったが、廃止された。公平性を保てない」などと意見した。

 市が結論を急ぐのは、さとうの撤退慰留に加え、4階フロア買い取り後の拠点整備に響くためだ。

 子育て支援については、国の地方創生拠点整備交付金の申請期限が迫っているとする。

 また、高齢者の文化活動拠点「但馬高齢者生きがい創造学院」(同市九日市上町)が、建物の老朽化で移転する「生涯学習サロン」については、アイティ東側の建物を改修して昨秋のオープンを予定していたが、地盤沈下が発覚したため、来年春の新設開業に変更となり、それがさらに工費を減額できる4階での開設へと変わった。

 議会からは「子育て世代が満遍なく恩恵を受けられるほかの支援策を検討すべき」「いずれの拠点整備も後付けだ」などの批判が上がっている。

【アイティ】旧豊岡市が主導した駅前再開発事業で1997年に完成。地上7階、地下1階建て。さとうグループなどが建物を所有。市とさとうなどが出資する第三セクターが運営し、各テナントから駐車場負担金を回収して建設費の返済に充てている。人口減や大型店舗との競合で2001年には三セクが経営危機に陥り、破綻を避けるために市が7階フロアを買い取った。市立の「子育て総合センター」や、貸しホールなどの「豊岡市民プラザ」を整備した。

但馬の最新
もっと見る

天気(10月23日)

  • 22℃
  • 16℃
  • 90%

  • 20℃
  • 15℃
  • 90%

  • 22℃
  • 17℃
  • 90%

  • 21℃
  • 16℃
  • 90%

お知らせ