但馬

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県大会但馬予選で連覇を達成した但馬南SSの選手=9月21日、豊岡市日高町名色
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県大会但馬予選で連覇を達成した但馬南SSの選手=9月21日、豊岡市日高町名色
県大会2回戦での関西学院中戦。PK戦の行方を見守る選手=10月8日、上郡町
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県大会2回戦での関西学院中戦。PK戦の行方を見守る選手=10月8日、上郡町
フットサル県大会の予選リーグ。決勝トーナメント進出を懸けた試合を前に、1年生が撮影した相手チームの動画を分析する選手=10月24日、三木市
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フットサル県大会の予選リーグ。決勝トーナメント進出を懸けた試合を前に、1年生が撮影した相手チームの動画を分析する選手=10月24日、三木市
県大会1回戦。加東市の滝野中相手に攻め込む但馬南の選手=10月3日、姫路市内
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県大会1回戦。加東市の滝野中相手に攻め込む但馬南の選手=10月3日、姫路市内

 兵庫県養父市と朝来市を拠点にする但馬南サッカースクール(SS)。15歳以下の中学生世代は、結成3年目と歴史の浅いチームだが、快進撃を続けてきた。2019年度はフットサルで全国大会にあと一歩まで勝ち進み、20年度は11人制で県大会3回戦まで進んだ。練習や公式戦の取材をもとに強さの秘密に迫った。(桑名良典)

 9月下旬の平日午後7時半、養父市八鹿町国木の全天候グラウンドで、3人一組となり、パス回しの練習が始まった。

 「相手の足元へ正確に。そうグッド!」。山本睦監督(47)がトラップした後にボールを置く位置などをチェックし、声を掛ける。休憩を挟み、スローインからの攻撃の組み立てを練習する。足元にボールを落とし、スローワーに返してから仕掛ける。ボールが浮くと、厳しい声も飛ぶ。

 練習は火曜-木曜の午後7時から2時間、養父や朝来市内で場所を変えて行う。ミニゲームでは一方のチームにフリーの選手を置き、数的優位をつくって攻撃させる。何度も繰り返す。動きはハードで、息が上がる。時間は短いが、密度の濃いメニューが続く。

     ◇     ◇

 選手登録は23人。豊岡市や香美町の在住者もいて、50キロを超える距離を通ってくる選手も。週末は公式戦や練習試合で遠征が多い。公共交通機関が少ない但馬では、保護者の送迎に頼るしかなく、負担は大きい。

 選手の6割は学校の部活動も掛け持ちする。陸上や卓球、バスケットボール、テニスなどさまざまで、部活を終えて車に乗り込み、移動中に食事や宿題をすることもあるという。

 山本監督は同県西宮市出身。高校サッカーの名門チームに在籍し、社会人選手としても活躍。少年サッカーの指導に取り組む中、中学校にサッカー部がない南但地域で、3年前に15歳以下のチームを結成した。

 「子どもの成長に気づくときが一番うれしい」と話す熱血漢は、大きな試合の前や後に、選手に語る言葉が印象に残る。

 「公式戦1試合、いやワンプレーで成長できる。一瞬を大事に」「控え選手や保護者、コーチの気持ちを背負って戦え」「欧州リーグの選手も日本代表も、試合になれば気持ちを前面に戦う。必死にならんと勝負にならん」

     ◇     ◇

 9月21日、県大会の但馬予選決勝。豊岡市を拠点にするライバル、但馬SCリベルテを3-1で破り、連覇した。応援席から鼓舞したのは、19年度の3年生メンバー。前畑南海さん(梁瀬中卒)や田中結成生さん(同)が動画を撮影し、滝川第二高(神戸市)でプレーする村田友哉さん(出石中卒)らに配信した。

 チームが目指す「但馬南が故郷であり、ОBが帰ってくる居場所」への思いはかたちになりつつある。

 10月26日、関西大会を目指したクラブユース選手権県大会はフォルテ新宮FC(西播磨)に2-3で敗れた。前日に昨年優勝したフットサル県大会の予選リーグで敗退した影響か、前半から本調子にほど遠かった。2度も追い付く粘りを見せたが、3年生は公式戦を終える結果となった。

 試合後のミーティングで山本監督は「試合に入る前半の課題は言い続けてきたこと。中学生世代は勝ち負けにこだわってほしい」と注文を付けた上で、「後半は泥臭く、粘り強く、うちらしかった。チームを立ち上げ、ともに成長できた。3年生ありがとう」と締めくくった。

■部活動に変わる新しいモデルに

 19、20年度と但馬南SSの公式戦を取材し、粘り強く戦い抜く姿を間近で見てきた。

 初の全国大会出場は、協会幹部による代表枠の勘違いで夢と消えた。今年はコロナ禍で大会が中止になる不運にも見舞われた。但馬は阪神間や播州などに比べ芝のグラウンドが少なく、練習環境に恵まれない上、遠征試合も多い。それでも「但馬南」は逆境をはね返し、2年連続の好成績で県内にその名をとどろかせた。

 躍進の要因は、一緒に試合の勝ち負けに泣いてくれるコーチ陣の存在だ。いずれは選手ОBからチームを率いる指導者が現れ、伝統を継承してほしい。

 関係者だけでなく、地域ぐるみで選手を支える必要性も感じた。強豪チームにはスポンサーによる資金支援があるという。学校関係者には、ぜひ練習を見学してほしい。部員減少や教員の長時間労働など、課題山積の部活動に変わる組織を考えるヒントがあるはず。中学生世代の新しいスポーツモデルが生まれることに期待したい。

【記者が選んだベストゲーム】

2020・10・4(県大会2回戦)

但馬南SS1-1(PK4-3)関西学院中

■チームの3人が骨折する非常事態に陥った。先制を許したが、ゴール前のこぼれ球に反応した奥田遥哉選手(豊岡北中2)の得点で同点。後半は石田響輝選手(八鹿青渓3)や北山志文選手(梁瀬3)、森谷祐大選手(豊岡北3)らのパスワークでゴールに迫ったが、PK戦に。但馬予選で骨折したゴールキーパー藤原星那選手(梁瀬3)に代わり出場した霜倉彪希選手(但東3)が2本止めた。

【記者が選んだベストゲーム】

2019・12・22(フットサル関西代表再決定戦)

但馬南SS5-7セットスター和歌山

■全国大会出場を懸けた大一番。負傷選手の交代枠や対戦場所、コートの広さを決める「前哨戦」ではチーム関係者も激突した。芦田烈生選手(朝来中2)のゴールで先制し、前半は3-2で折り返す。両チームの気迫あふれるプレーに、隣のコートで遊んでいた大阪の小学生も「すごい」と集まってきた。後半に入り、中島滉太選手(梁瀬中3)らが得点したが、4連続失点で逆転負けを喫した。(学年は当時)

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