2年前に兵庫県豊岡市に移住した女優河合美智子さん(52)が、同市出身の作曲家松岳一輝さん(62)=大阪市=が制作したご当地ソング「たじま二人羽織」など2曲を収録した。脳出血による右半身のまひを抱えながら、夫で俳優の峯村純一さん(53)との但馬での暮らしや思いを歌うバラード。河合さんは「スナックなどで気軽に歌ってもらえるご当地ソングになれば」と話している。(石川 翠)
河合さんは2018年10月の移住直前に出演した舞台で、音楽担当だった松岳さんと出会った。「移住先は松岳さんの出身地で、引っ越し日は松岳さんの還暦の誕生日。運命的だった」と河合さん。移住後も豊岡市で会うようになり、昨年の冬、市内のスナック店で「ご当地ソングを作ろう」と決まったという。
松岳さんは中学卒業後に豊岡を離れ、今ではOSK日本歌劇団などに楽曲提供をしている。「出て行きたくて豊岡を離れた自分と、好きで住みたいという対照的な者同士で面白いと思った」と振り返る。
「たじま二人羽織」(4分50秒)の歌詞は、松岳さんの妻で作詞家のりくさんが担当。東京からの移住を決めた場面から始まる。
♪あの日 この町に魅せられて いつか住みたい そう思った 世田谷ナンバー 走る但馬は あっという間に 三度目の春
円山川やコウノトリなども盛り込みながら「あんたとならば いつだって 笑っていられる」と相手を恋い慕う。縁もゆかりもない土地で夫婦で支え合い、大切に思いながら生きていくさまを描いている。
タイトルは峯村さんが提案。まひの残る体の河合さんをサポートしながらも「うまくいかずに笑いが起こる二人羽織の芸とぴったり」という。松岳さんは「2人のほっこりした雰囲気を出したかった」といい、温かい曲に仕上げた。
1月には出来上がり、10月には県立但馬文教府(豊岡市)での講演会で初披露した。松岳さんは「来春にはCD化して豊岡から発信したい」と話している。
