民家火災で逃げ遅れた住人救助 4人に「のじぎく賞」
2021/02/06 05:30
のじぎく賞を受けた(前列左から)岡本好生さん、守山省吾さん、田村広美さん、松岡孝三さん=新温泉町役場
民家火災で逃げ遅れた80代男性を救助したとして、兵庫県但馬県民局は5日、同県新温泉町の岡本好生さん(62)、同町の松岡孝三さん(45)、同町の田村広美さん(55)、同県香美町の守山省吾さん(47)の4人に県の善行賞「のじぎく賞」を伝達した。
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火災は昨年12月23日朝、JR浜坂駅から南東約300メートルの2階建て民家で発生した。近くのガソリンスタンドに勤務する守山さんが煙に気付き、2階の窓から顔を出す男性を発見。同僚の松岡さんと田村さんに通報を依頼するとともに、職場の倉庫にあった高さ約5メートルのはしごを軽トラックで運んで窓際に設置した。
男性と知り合いの岡本さんがはしごを登り、消防隊員が到着するまでの間、男性を抱きかかえて勇気づけた。田村さんはぬれたタオルを投げ、下から松岡さんらと励まし続けたという。
この日、新温泉町役場で同賞を伝達した同県民局の小畑由起夫局長は「勇気ある行動と判断力、知識の連携が人命救助につながった」とたたえた。岡本さんは「部屋の奥から爆発音が何度も聞こえ、恐怖を感じたが、放してしまうと『一巻の終わり』のような気がして必死だった」と振り返った。(末吉佳希)