和田ゆきのさん交通事故から2年 両親が事故現場で花手向け、悲しみ語る
2021/03/11 05:30
事故のあった交差点で花を供える和田小百合さんと哲治さん=豊岡市中陰
兵庫県豊岡市の市道交差点で、小学4年生だった和田ゆきのさん=当時(10)=が車にはねられ亡くなった事故から10日で2年となった。発生時刻の午後2時半、事故現場を両親が訪れ、花を手向けた。
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事故は2019年3月10日の日曜日、同市中陰の市道交差点で起きた。両親、弟2人と家族全員で買い物に来ており、ゆきのさんは先に店を出た。横断歩道をふさぐように続いていた車列の間を抜けて道を渡ろうとしたとき、対向車線を走ってきた乗用車にはねられ、翌11日午後に搬送先の病院で亡くなった。
現場は交通量が多く、日中は頻繁に渋滞が発生。両親は現場に花を絶やさないが、父哲治さん(40)は「渋滞の一因になりたくないので、車の少ない早朝や夜に訪れている」という。
10歳3カ月だったゆきのさんの年齢を弟の瑛士君(10)が超えたが、子どもの成長していく姿が当たり前ではなくなった今、母小百合さん(40)は「息子もいなくなったらどうしようと常に不安が消えなかった」と振り返る。
小百合さんは警察官で、交通事故の担当ではないが、勤務する署では同僚が交通安全教室でゆきのさんの通学用の黄色い帽子を使って、子どもたちを守るために注意を呼び掛けているという。「少しでも思いが届いて、被害者にも加害者にもならないでほしい」と話した。
豊岡市内での人身事故は、昨年1年間で143件、2人が亡くなった。今年は2月末までで21件(速報値)が発生している。(石川 翠)