押し相撲武器に「初勝利を」 大相撲夏場所で浜坂中出身の谷元が初土俵へ
2021/05/10 05:30
大相撲夏場所にデビューする谷元飛翔さん=東京都内(本人提供)
今春大相撲の山響部屋に入門した浜坂中学校(兵庫県新温泉町浜坂)相撲部出身の谷元飛翔(つばさ)さん(18)が10日、両国国技館(東京)で開かれている大相撲夏場所に「序ノ口」の番付で初土俵を踏む。谷元さんは緊張しつつも「初戦は勝ちを飾り、良いスタートを切りたい」と意気込んでいる。(末吉佳希)
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谷元さんは小学3年のとき、同町の「わんぱく相撲大会」に出たことをきっかけに相撲を始めた。浜坂中学校を卒業後、全国でトップクラスの愛媛県立津島高校(同県宇和島市)に進学し、全国のライバルとしのぎを削った。
兵庫県姫路市出身の山響親方(元幕内巌雄)に声を掛けられ、高校卒業と同時にもう一人の相撲部員とともに相撲部屋に入門。部屋には同県出身の兄弟子も数人在籍している。当面の間、しこ名は「谷元」として番付表に並ぶ。
上京して1カ月ほど。部屋では「ちゃんこ番」や洗濯、掃除など新弟子としての仕事に追われる日々だが、「少しずつ慣れてきた」という。早朝からの稽古では、すり足や四股などの基礎練習を重点的に行うほか、兄弟子たちの胸を借りてぶつかり稽古も行う。
部屋入り後まもなく、相撲人生で一つの転機を迎えた。中学から磨き続けてきた相手のまわしを取る「四つ相撲」から、重心を低く体重を使って突き上げる「押し相撲」へとスタイルを変えることになった。身長171センチと小柄なため、けがを心配した親方の助言からだった。谷元さんは「全てはプロの世界で渡り合うため。慣れない作業で苦戦も多いが、兄弟子たちに助けてもらっています」と話す。
中学時代の恩師、浜坂中学校相撲部の松井博明監督は「電話口からやる気を十分感じた。悔いのないよう全力でぶつかってほしい」とエールを送る。
夏場所は23日までで、計7日間出場する。出場日は取組の勝敗などによって前日までに決まる。
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大相撲夏場所の期間、谷元さんの取組結果を随時紹介します。