平田オリザ学長「学生の満足度は高い」初の定例会見 豊岡・専門職大

2021/06/04 05:30

会見で開学から2カ月を振り返る平田オリザ学長=豊岡市山王町

 但馬地域初の四年制大学として、芸術文化観光専門職大学が兵庫県豊岡市山王町に開学して2カ月となる。3日、平田オリザ学長が初めて定例会見し、「感染症や大きな事故などなくスタートを切れている」と、この間の動きを振り返った。 関連ニュース 平田オリザ学長「劇団も市の補助金を受けていない」 市長や支持者らの発言に反論


 同大は4月1日に開学。全国各地から84人の若者が入学した。芸術文化や観光の第一人者らによる授業が始まっており、1年生は、コミュニケーション力を磨くため寮生活をしている。
 平田学長は「出席や勉強に厳しいので大変かもしれないが、学生の満足度は高く、付いて来てくれている。教員、職員、学生も互いに『さん』付けで呼び合うフラットな組織づくりもできている」と話した。
 学生らは1期生として学生組織やサークルの立ち上げなどに取り組んでおり、夏休みには臨地実習で地域に出る。神鍋、竹野地域での活動や、演劇祭への参加など、地域住民と関わる機会も増えるという。
 豊岡市長選では「演劇のまちづくり」の是非が争点となり、ショックを受けた学生も少なからずいたという。一方で「何よりありがたかったのは、地域の皆さんの声。『すごく歓迎しています』『盛り上げましょう』という声をたくさんいただき、不安はだいぶん拭い去られたようだ」とする。その上で「学生の本分は勉学。ゆっくり地域に溶け込めるようにしてあげたい」とも話した。
 地域連携を進める同大の「地域リサーチ&イノベーションセンター」では、地元自治体や高校などとの連携事業が本格的に始まった。本年度は、但馬の全高校で教員による授業が実施される予定だ。市民らから団体で申し込みがあれば施設見学も受け付けていく。平田学長は「但馬地域の高校生にも来ていただきたい。広く大学についてPRをしていきたい」とする。(阿部江利)

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