目と舌で夏を感じるケンサキイカ 飲食店など34施設で「フェア」 香美

2021/07/19 05:30

料理フェアで提供されるケンサキイカの生き造り(香美町提供)

 兵庫県香美町の夏の風物詩、ケンサキイカの生き造りが味わえる「活イカ料理フェア」が、同町香住区の飲食店や民宿・旅館など計34施設で展開されている。新鮮で透明感のある身はコリコリとして甘みが強く、目で見ても、舌で味わっても、存分に楽しめる。地元の香住観光協会は「産地ならではの逸品をぜひ堪能して」とPRしている。8月末まで。 関連ニュース イカの姿造り、ぜいたく海鮮丼 香住で魚介料理フェア のどぐろ、ほたるいか 但馬の海の幸 缶詰飯に 漁協と地元の高校生が開発 「なんやあれ」超大物のアオリイカ、タイ狙う網で捕獲 明石

 県但馬水産事務所によると、県内でケンサキイカのまとまった漁獲があるのは但馬沖のみ。香美町では6~8月、沿岸イカ釣り漁や定置網漁で水揚げされ、「シロイカ」とも呼ばれる。イカ釣り漁の最盛期には、集魚灯を搭載した漁船が夜の海を煌々(こうこう)と照らす「漁り火」が、山陰海岸を代表する景観として有名だ。
 ケンサキイカは水温や環境の変化に弱く、もともとは生きたまま水揚げするのが難しかった。だが、地元の漁業者らが保冷のための水槽設備を整え、2002年ごろから活イカ料理として提供を始めた。
 料理フェアは、「カニの本場」として知られる香美町で、ケンサキイカの認知度を高めたいと、同町神戸営業所が毎年企画。生き造りを中心に、天ぷらや他の海産物も取り入れた料理を各施設で味わえる。
 同町香住区訓谷の民宿「かどや」では、ケンサキイカの鮮度を保つため、夕食の約1時間前に届くよう調達。宿泊客が席に着くと同時にさばき始め、舟盛りにして提供するという。代表の今井学さん(54)は「さばきたてのイカは、しょうゆより塩がお薦め。頬が落ちそうになる甘みが口中に広がる」と話している。
 また、同町香住区では地元産の魚介類をふんだんに使った「海鮮丼ランチフェア」も8月末まで、飲食店9店舗で開かれている。
 香住観光協会TEL0796・36・1234
(金海隆至)


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