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老朽化が深刻化する浜坂認定こども園=新温泉町浜坂
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老朽化が深刻化する浜坂認定こども園=新温泉町浜坂

■現在地か移転か議論5年

 「めっちゃ、うまい」。今月中旬、新温泉町の浜坂認定こども園(同町浜坂)で園児らの元気な声が響いた。

 ご飯中心の食生活を学ぶ出前授業に、4、5歳児約45人が参加。昔ながらの炊飯方法に挑戦した。

 同園は1978年に完成。築40年以上で、園舎の軒先周辺の塗装がはがれ、強い雨が降ると雨漏りするなど老朽化は深刻な状態だ。

 立地は岸田川の河口に近く、海抜3・1メートル。2014年に国が発表した「大規模地震に伴う津波想定」で、浸水区域とされた。それを受け、町は16年から、移転の議論を始めた。

 しかし、最初の候補地選びでつまずく。選ばれたのは町のグラウンド「浜坂すこやか広場」(同町浜坂)。照明施設を備え、年間1万人以上が利用するため、町体育協会や地元町内会などが強く反発。移転計画は宙に浮いた。

     ◆

 18年春、思わぬことで事態が動く。

 浜坂認定こども園は浸水想定区域外にある-。

 国の想定発表から4年後、県が公表した詳細な津波想定の内容だ。これにより、こども園の現在地が候補地の一つに急浮上した。

 前年の町長選で、グラウンドへの移転計画の見直しを掲げて当選していた西村銀三町長は、「現在地周辺」を候補地として検討すると表明。住民らでつくる整備検討委員会も、現在地を拡張して建て替える方針を示した。

 しかし、町議らは、過去に洪水で周辺が浸水したことなどから、「浸水の想定エリア外に建設するべき」「台風19号では堤防が決壊したらすぐさま水が来たと聞く。大丈夫か」などと、見直しを求め、その後は膠着(こうちゃく)状態が続いた。

 再び混乱が起きたのは20年5月。県が発表した洪水想定区域に、こども園の現在地が含まれていた。

 町はすぐに対応。翌年3月、「現在地周辺」に加えて、新たな候補地として「町役場の東側」を提案した。しかし、現在地を支持する西村町長と、見直しを求める町議会との間で、現在も意見がまとまらない。

     ◆

 「こんなに長期化するとは…」。同園に子ども3人を通わせる女性パート社員(35)は「老朽化した施設で子どもが安全に過ごせるだろうか。そっちの方が不安です」と、もらす。

 子どもたちの安心安全を考えて最適な選択をするため、議論を尽くすことは重要だが、5年かかっても移転先を決められない行政のあり方を、女性は「詳しいことは分からないが、時間がかかりすぎ」と評した。

     ◇

 26日告示、31日投開票の新温泉町長、町議選挙を前に、地域の課題を考える。(末吉佳希)

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