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県境をまたいだワクチン接種の協定式に臨んだ1市6町の首長たち=鳥取市内(同市提供)
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県境をまたいだワクチン接種の協定式に臨んだ1市6町の首長たち=鳥取市内(同市提供)

■医療、観光…県またぎ連携

 今年6月、新温泉、香美両町と鳥取市など鳥取県東部の計1市6町が、全国初とされる協定を結んだ。

 兵庫と鳥取の県境を越えて、新型コロナウイルスのワクチン接種を共同で行う内容。協定書を手に笑顔で並ぶ7人の首長の中に、新温泉町の西村銀三町長(72)の姿があった。

 新型コロナウイルスの「第4波」の時期で、各自治体は高齢者向けのワクチン接種を急いでいた。

 同町では、2回の接種を終えた高齢者の比率(6月15日時点)がまだ、わずか2・5%だった。他の但馬地域の自治体は、豊岡市22・2%▽養父市28・4%▽朝来市19・0%▽香美町51・6%-まで進んでいた。

 「自分のまちの体制確保を待っていられなかった」

 新温泉町に住む自営業の男性(32)は8月、鳥取県岩美町の岩美病院で2回のワクチン接種を終えた。感染者が増え続ける中、新温泉町では30代の接種時期が未定だったため、共同接種を希望したという。

 鳥取市によると、協定に基づき、新温泉の町民が、6~8月に他市町で受けた接種の回数は計416回。このうち38回は香美町で、9割の378回が鳥取県内だった。

 同県の自治体の担当者は、高齢者だけでなく、「学生や働き世代の人々の利用が多かった印象がある」と説明する。

     ◆

 1市6町は歴史的に結び付きが強い。約5年前から、経済成長のけん引や都市機能の集積を目指す独自の生活経済圏「因幡・但馬麒麟のまち連携中枢都市圏」を形成してきた。

 中核の鳥取市は人口約19万人の県庁所在地。JR鳥取駅前には百貨店や大型ショッピングセンター、商店街が集積。鳥取砂丘には、鳥取空港などを利用して年間100万人が訪れる。

 同市を中心に、同都市圏は、面積が但馬地域とほぼ同じ約2千平方キロ、人口が約1・5倍の約25万人となっている。

 ワクチン接種をきっかけに、「少しでも鳥取方面の観光客を呼び込めるよう、各観光地をつなぐ『周遊型の観光』など、連携の機運が高まれば…」。湯村温泉観光協会の会長を務める老舗旅館「朝野家」の朝野泰昌社長は、期待を高める。

 食や温泉など観光を中心とする新温泉町の地域経済は、コロナ禍で深刻な打撃を受けている。町内屈指の誘客を誇る湯村温泉は、2020年度の入り込み客数が約11万人となり、コロナ前に比べほぼ半減した。

 鳥取県内の自治体を含めた“お隣さん”たちといかに手を取り合い、山積する課題を克服していくか。ネットワークをうまく生かす知恵が問われている。(末吉佳希)

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