乗客刺傷、放火未遂などの事件受け JR豊岡駅で不審者対応訓練 乗客の誘導手順確認
2021/11/18 05:30
車両内で暴れる不審者役に対応する豊岡署員ら=JR豊岡駅
先月末、東京の京王線で発生した乗客刺傷事件や、今月の九州新幹線での放火未遂事件などを受けて17日、兵庫県豊岡市のJR豊岡駅で車両内での不審者対応訓練が行われた。豊岡署との合同訓練で、約30人が参加し、乗客の誘導や通報体制の確認をした。
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訓練は、ホームに到着した直後の車両内で刃物と可燃性液体を持った不審者に対応しながら、警察に通報する流れで行われた。
大声を上げて車両内をうろつく不審者役の署員に、運転士が「刃物を捨てろ」などと呼び掛けて対応し、ホームの駅員に通報を要請。駅員は乗客向けに避難誘導のアナウンスを流し、アクリル製の盾を構えながら乗客全員が車両から出たことを確認。通報を受けて駆け付けた署員が不審者役を取り押さえた。
訓練を振り返って、同署の担当者は「声が通りにくいので、不審者にも乗客にも大きな声でしっかりと呼び掛けてほしい」と念を押した。
JR西日本では、「警戒」と書かれた腕章を着用するなど意識を高めているという。森田豊駅長は「実践的な訓練で、迅速に避難誘導ができた。乗客と駅員の安全を守るために訓練を続けていきたい」と気を引き締めていた。(石川 翠)