自慢のスイーツ、超小型EVで宅配サービス 屋根のショートケーキが目印 香美のカフェ

2022/01/13 05:30

超小型EVを利用したケーキの宅配サービスをPRする福田好枝さん=香美町香住区七日市

 兵庫県香美町香住区七日市のカフェ「プラージュ」が、店頭販売するケーキの宅配サービス「香住スウィーツ♡出前便」を始めた。新型コロナウイルス禍で外出を自粛する高齢者や妊産婦らの要望に応え、従業員が1人乗りの超小型電気自動車(EV)を運転して届ける。配達エリアは同町香住区に限るが、洋菓子の宅配は但馬地域でも珍しく、店長兼パティシエの福田好枝さん(40)は「スイーツを通して笑顔の輪を広げたい」と話す。(金海隆至) 関連ニュース 明石の地域課題を解決する「やさしさ宅配便」 私たちの活動知って 協賛企業も募る OKそれともNG ホテルからデリバリー注文 スーパーホテル公式アカウントがスッキリ解決 女性に聞いた「すっぴん」でもできること…「宅配便の受け取り」「近所のスーパーへ行く」を抑えたのは?


 香美町は高齢化率が42・2%と、県内市町で2番目に高く、2006年にオープンしたプラージュでも高齢の客から、「ケーキを宅配してほしい」との声が寄せられるようになった。加えて、従業員や客同士の接触機会を減らす感染症対策にも有効として、カフェを併設する旅館「夕香楼しょう和」代表で、好枝さんの兄、正幸さん(42)が新サービスを考案した。
 超小型EVはトヨタ車体製のコムス。昨秋、県の補助事業を活用して1台を購入した。家庭用コンセントで充電でき、小回りが利いて運転しやすいという。屋根には「広告塔」を兼ねて、イチゴのショートケーキの立体看板を飾り付けた。
 プラージュでは、食用竹炭を練り込んだ定番商品「香炭(かすみ)ロールケーキ」や季節のケーキ、プリンなど約20種類の洋菓子を販売。宅配サービスでは店側がお薦めの品を選び、箱詰めして届ける。誕生日や記念日を祝う特製ケーキも配達する。
 昨年12月下旬のサービス開始後、出産したばかりで外出を控える女性や高齢者のほか、民宿や旅館から宿泊客に提供するスイーツの宅配依頼が早速舞い込む。
 正幸さんは「店頭の売れ残りによる商品ロスが減る利点もある」と強調。コロナ禍を受けた経営環境の変化を踏まえ、「収束を待つだけでは仕方がない。攻めの一手で新たな需要を掘り起こしたい」と話す。
 宅配サービスは5個入り2450円から。午前11時~午後6時。注文は電話や同店のホームページなどから受け付ける。プラージュTEL0796・36・1018(火曜休み)

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