観光客らが予約→自動で経路を選び運行…オンデマンド予約バス実証開始 城崎、湯村温泉

2022/01/22 05:30

運転席前に設置された車載タブレット(上、デンソーテン提供)

 全但バス(兵庫県養父市)と自動車用電子機器メーカーのデンソーテン(神戸市兵庫区)などは、観光客らの予約を受けて自動で経路を選び、運行するオンデマンド予約バスの実証実験を始めた。「どこでもたじまわる」の名称で、乗り合いバスを豊岡市の城崎温泉と新温泉町の湯村温泉周辺で運行している。利用者と事業者の双方にメリットがあり、観光地の回遊性の向上を通じて地域活性化につながると期待される。(石川 翠) 関連ニュース バスと壁の間は数cm 通勤、通学支える運転手の“神業” 震災体験伝え続ける 阪高で落下免れたバス運転手 2階建てバスの保護猫カフェ「ひだまり号」リフォームで“再出発” コロナによる運営危機乗り越え


 城崎、湯村温泉エリアの周辺は、鉄道やバスなどでは行きにくい観光スポットがあり、移動手段の確保が課題となっている。さらに今後は、新型コロナウイルスの感染を防ぐために個人や少人数での旅行が増えると予想され、より細かいニーズに対応した移動手段が必要になるとみられる。
 今回のオンデマンド予約バスは、そうした課題に対応する。観光客らが乗車・降車の場所や時間などを予約すると、全体の予約状況に応じて最適な運行経路を自動的に選択。タブレット端末に情報を送り、表示されたルート通りに、バスの運転手が運転する仕組みだ。乗降場所は、各旅館やバス停、観光施設など100カ所以上を設定している。
 実証実験には、両社のほか、オンデマンドバス交通システムを手掛ける企業「順風路」(東京)が参加。同社のシステム「コンビニクル」と、デンソーテンの車載タブレットで、小型車両を各エリア3台ずつ運行している。
 デンソーテンの担当者は「観光客のニーズに合わせた柔軟な対応ができ、観光地の魅力アップにつながる」と話す。
 料金は豊岡市内(湯村温泉は新温泉町内)観光が片道千円、市町外の観光が同2千円。2月15日まで。全但バス豊岡営業所TEL0796・23・1018、同湯村温泉営業所TEL0796・92・3910

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