火災を発見し「誰かいますか」下校中の中学生3人が安否確認、消火に協力 被害を最小限にとどめる
2022/02/22 05:30
火災を早期発見した今井勇磨さん(前列左)、辻隆之介さん(中央)、川口悠人さん(前列右)ら=豊岡南中
下校中に火災を発見し、安否確認や通報依頼、消火活動に協力-。被害を最小限にとどめたとして兵庫県豊岡市消防本部は、豊岡南中学(豊岡市大磯町)3年の辻隆之介さん(14)と今井勇磨さん(15)、川口悠人さん(15)に表彰状(消防長感謝状)を贈った。
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同本部によると、今年1月11日午後、同市城南町の木造2階建て民家で火災が発生。小学校から親友の3人が下校中に通りがかった。煙が出ていて、その量が増していく。何かが燃える臭いもする。3人は、火事だと確信したという。
川口さんがドアをたたき、鍵が開いていたので玄関から入った。「誰かいますか」。大きい声で呼び掛けた。反応はなかったが、今井さんは、煙の向こうに光る炎が見えたという。「誰かに伝えないと」。川口さんは下校時に会った友人の親の所まで戻り、通報をお願いした。
近隣住民に呼ばれて駆け付けた家主の高齢男性は火災と気づき、地区の備え付け消火器2本を持って戻った。1本を川口さんに渡し、男性が消火しようと家の中に入ったのに続こうとしたが「煙がすごく、配置も分からず先には行けない」と判断した。
それでも早めの対応が功を奏し、火災はぼや程度で済み、全焼は免れた。
3人は「家がすごく密集していて、1軒が火事になったら一気に広がると思った」「火事に気づけていなかったら家が燃えていたと思う」「大きな火事にならなくてよかった」と振り返った。(丸山桃奈)