豊岡聴覚特別支援学校の保護者ら、出石特別支援校との統合見直し求める署名活動開始へ

2022/04/02 05:30

出石特別支援学校と統合する計画が打ち出された豊岡聴覚特別支援学校=豊岡市三坂町

 来春の出石特別支援学校(兵庫県豊岡市出石町)との統合方針が出された豊岡聴覚特別支援学校(同市三坂町)の保護者らが、計画の見直しを求めて署名活動を始めることが1日、分かった。保護者らは「寄宿舎を廃止し、通学区域が限定されることで入学が制限される」と指摘。統合時期についても「施設整備を含めて準備期間が1年では短い」と訴える。今月中旬から賛同者を募り、県議会に請願書を提出する考えだ。(桑名良典、丸山桃奈) 関連ニュース 負い目感じる母親「手が掛かる子を預けている」学校に声上げられず 姫路・特別支援学級の暴言・体罰 体罰で懲戒免職の元教諭 取材に応じ、何度も謝罪 息子3人発達障害、パワフル母ちゃんが子育て奮闘記


 県教育委員会は2月、両校統合の計画を発表。少子化を踏まえて、集団学習の機会を確保するには「発展的統合」が必要と判断したという。出石の現校舎を利用して、聴覚障害と知的障害の両部門がある新校を開設する。豊岡にある寄宿舎は廃止する。
 保護者らは、学校や県教委の説明を受けて対応を協議。教職員らも加わり「子どもたちの豊かな教育を守る会」を結成し、活動していく方針を決めた。
 計画の問題点として、スクールバスの運行範囲は豊岡市と養父市の一部に限定され、それ以外の区域からは保護者の送迎が必要になる。区域外では、各市町の教育委員会と連携し個別に対応するとしているが、「広い但馬で専門的な教育を受けることが制限される」とした。
 また、統合校の聴覚障害部門には幼稚部から中学部を置き、0~2歳児を支援する保育相談部を新設するが、これまで要望してきた高等部の設置が反映されていない点を指摘。署名を通じて、幼児期から青年期まで一貫した教育を求めていく。
 同会代表で、豊岡聴覚特別支援学校中学部に今月入学する娘がいる西本浩樹さんは「寄宿舎で自立できる生活力が付くよう期待して進学を決めた。話し合いの場もなく突然の発表で、出石に設備が整うのかも現段階では見通せない」としている。
 署名の問い合わせは同会事務局TEL090・7345・4998

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ