浜坂駅の鉄道グッズ館「鉄子の部屋」 惜しまれ閉館「感謝尽きない」
2022/04/04 05:30
長年スタッフとして貢献してきた(左から)岡田芳明さんと前田清治さんに花束を手渡す西村銀三町長=新温泉町浜坂
兵庫県新温泉町浜坂の鉄道グッズ館「鉄子の部屋」が閉館した。2008年に同町がJR西日本から駅舎の空きスペースを無償で借り受けてオープンし、約14年で10万7千人以上が来館。最終日の3月31日には閉館セレモニーがあり、西村銀三町長が施設の管理を続けてきた元国鉄職員のスタッフに花束や感謝の言葉を贈った。
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約45平方メートルの同館にはファンやJR、国鉄OBらからの寄贈品を中心に300点超を展示。架け替えられた余部鉄橋(香美町香住区)の橋脚の一部や、列車の前方部分に取り付けられていた銘板など歴史的に価値の高い物品がずらりと並ぶ。施設名は、女性の鉄道ファンの俗称「鉄子」に俳優の黒柳徹子さんが司会を務める人気番組にちなむ。
閉館は、県などが進める都市計画道路「浜坂駅港湾線」の整備に伴い、近くにあったJR西日本の乗務員宿泊所が駅舎内に移転するため。鉄子の部屋の運営は今後、同駅前のまち歩き案内所「松籟庵(しょうらいあん)」に引き継がれるが、公開時期は未定という。
セレモニーには、同館スタッフとして鉄道の歴史を伝え続けてきた岡田芳明さん(77)と前田清治さん(79)が出席。西村町長が「浜坂駅は地域の象徴であり、鉄子の部屋も同様」とたたえ、花束を手渡した。
岡田さんは「閉館を知ってたくさんの人が駆け付けてくれ、そのたびに胸に熱い物がこみ上げてきた。第二の人生が終わったようだが、感謝は尽きない」と笑顔で話した。(末吉佳希)