ネットで人気の鹿肉ペットフード、初の実店舗オープン 古民家活用、くつろぎスペースも
2022/04/20 05:30
改修した築約90年の民家で鹿肉のペットフード商品の販売を始める白井壮さん(左)と記念の切り絵を作成した剪画家の坂田陽一さん=豊岡市日高町八代
鹿肉をペットフードにしてインターネット販売してきた兵庫県豊岡市日高町八代の鹿肉処理加工施設「やしろのめぐみ」が23日、施設の向かい側に実店舗をオープンさせる。改修した木造の古民家を活用し、縁側などは開放する予定で、「地域の人にもくつろいでほしい」と代表の白井壮さん(43)。知人の剪画(せんが)家坂田陽一さん(73)=同市=も、開店記念に建物を描いた剪画作品を寄贈した。(石川 翠)
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白井さんは産業廃棄物処理業を営む一方、狩猟にも携わっており、知人から譲り受けた空き家2棟のうち離れを改修して鹿肉処理施設を2020年に開設。ペットフードに加工し、オンラインショップで販売してきた。母屋の活用も検討していたところ、処理施設にペットフードを求めて直接訪れる人がいたため、実店舗をオープンすることを決めた。
約15種類の商品のうち、人気のミンチフレーク(100グラム1200円)や、すね肉のジャーキー(40グラム500円)、レバーのジャーキー(45グラム750円)などを扱う予定だ。
木造2階建ての母屋は築90年ほどだが、石垣も含めて状態は良く、玄関を販売スペースにした。そのほかの部屋も開放して、購入者や地域住民らに休憩してもらうことに。縁側には犬をつなぐフックも取り付けた。
オープンを前に、20年ほど前に地域の美化事業のごみ回収で出向いたことで知り合った坂田さんが、開店を祝って剪画作品を作成した。立派な石垣やオレンジ色の壁など建物とともに、自身の作品でよく取り入れるコウノトリが青空を優雅に飛ぶ姿を描いている。
坂田さんは「建物は地域の人にとってはなじみがあるだろうから、作品をきっかけに店にもなじんでもらえれば」と話している。