コウノトリ2羽がふ化 朝来・和田山の人工巣塔で3年連続、別の雄とのペア

2022/04/21 05:30

ふ化した2羽のひなを世話する親鳥=朝来市和田山町久田和(東河地区協議会提供)

 兵庫県朝来市和田山町久田和の人工巣塔で19日、コウノトリのひな2羽がふ化したことが分かった。同市でのふ化は今年初めてで、この人工巣塔では3年連続。ペアの雄が昨年死んでしまい、今回は別の雄とのペアで営巣していた。 関連ニュース 春らんまん、コウノトリ夫妻は花見の余裕なく抱卵 国内初の人工巣塔設置校、豊岡の三江小 人とコウノトリの共生訴え 事故死した「翼」の一生、児童らが紙芝居に【動画】 送電線に衝突か、コウノトリ死ぬ 12羽のひな育てた雌、卵のふ化直前に


 ふ化は、地元の東河小学校で環境やコウノトリの学習指導をしている稲津賢和さん(69)が同日午前6時ごろに見つけた。同日午後6時すぎには、2羽目もふ化したという。
 この人工巣塔は東河地区協議会が住民から寄付を募って設置。2020年に2羽が巣立ち、21年にも3羽がふ化した。ただ、同年4月、雄の親がけがをして死んだ。このため、県立コウノトリの郷公園は3羽を保護し、公園内のほかのペアに子育てを任せた後、巣塔近くで放鳥した。
 抱卵中、ペア以外のコウノトリが卵目当てに巣塔の周りを飛び、ペアの2羽とも巣を空けてしまったことがあったといい、稲津さんは「ふ化するか心配だったが、よく育ってくれた」とほっとしていた。(小日向務)

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