ＳＦ映画？異国の宗教建築？　トンネル内は“異空間”　山陰近畿道・掘削現場

　異国の宗教建築を仰ぎ見るようだった。その曲線美に思わずレンズを向けた。 関連ニュース 【写真】今にも動き出しそう…未完のトンネル天井に 【写真】工事現場の水たまりに、作業員や車両などが映り込む 【写真】通信網の要、地下のトンネル「洞道（とうどう）」。無数の四角い光が重なる

　全線開通へ向けて建設中の山陰近畿自動車道。新温泉町の山あいでは「浜坂第２トンネル（仮称）」の掘削が進められている。
　全長は約２・８キロ。１度の発破で５メートル掘る作業を１日に４回繰り返すという。壁面に刻まれたアーチは１工程ごとの痕跡。それが無数に連なって、圧倒的な存在感を放つ。
　天井に設置された換気用の巨大パイプにも目を奪われた。青白い照明に、微妙な曲線が浮かび上がる。その姿は長大な生き物が、今にも動き出すように映る。
　未完のトンネルは、ＳＦ映画の世界のようでも。異空間に迷い込んだ錯覚に陥りながらシャッターを切り続けた。（鈴木雅之）